萌芽


 「やあ、僕は萌芽。またの名をフルリール。職業は王室書記官と王立図書館長と農務卿(大臣)と庭師と俳優と司法官。本業は飴細工職人だ。現在花咲ける24歳だけど、僕自身があまりに美し過ぎて女性にもてないことが悩みかな」

 普段はテノールの優しい声だが、声帯の形を変えられるという超能力(アルス)を持っている。女声メゾソプラノから男声バスまで、声域が桁外れに広い。他人の声真似も得意。身長と体重が同じなら、声紋を測る機械(そんなのないけど)も騙せるほど、そっくりな声を出すことができる。
 容姿と声が女性的なので、オペラや演劇で、よく女性の役をやる。いつも女装紛いの服装をしているが、男に女扱いされると怒る。好みの女の子に同姓だと勘違いされたら、親しげな雰囲気でナンパする。王家で恋愛を巡るスキャンダルがあれば、まずその渦中にはこの人がいると言っていい。

 創作料理(飴細工)、演劇、フラワーアレンジメントの芸術系3部門で“銀のハープ”勲章(文化功労賞)を受賞していて、その功績で兵役の義務を免れている。嗜む程度に武術はやっているが、手が荒れるから戦うのは大嫌い。でも女性を巡る戦いならどんと来いのロマンチスト。クレイの幼馴染で親友(悪友)。男臭い友達と二人きりの時だけ、一人称が「僕」から「俺」になる。

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