黎明の書 〜傲慢ごうまんの章〜

神々を除き 最も偉大なるものがいた

人間の女と天空の王の子供

彼は父なる神に戦いを挑んだ


天空の王は子供を打ち負かした

臓腑ぞうふえぐり 頭を割るが 半神は死なぬ

天空の王はたずねた

神でもないのに 何故おまえは死なないのか と


半神は笑って答えた

それは父上 破壊の王が私の命をうばわないから

今は負けたが 私はいつかあなたに打ち勝つでしょう と


父なる天空の王は驚いて訊ねた

それは何故か と


息子なる半神は笑って答えた

それは父上 月の王が顔を出さないから

夜に眠り 休む必要がないから

私はあなたを倒すために ずっと起きていられるのです と


天空の王は気がついた

あらゆる造形物が 神の地位を奪おうとしていることに


天空の王は破壊なる神を呼んで訊ねた

どうしてあなたは働かないのか と


破壊の王は答えて言った

それはあなたが父なる男を奪ってしまったから と


天空の王は月なる神を呼んで訊ねた

どうしてあなたは働かないのか と


月の王は答えて言った

それはあなたが母なる乙女を奪ってしまったから と

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