Ranio Toks 〜虹の民語り〜
現実世界において、『人種』という言葉は生物学的に誤りであると言われています。
ネグロイドもコーカソイドもモンゴロイドも、みんな同じホモ・サピエンスですからね。「黒色人種」とか「白色人種」とかいう言い方は、生物学的に誤りであるだけでなく、時によっては差別用語となることも。
しかし、
この物語の世界では、本当に「人種」なるものが存在します。
まずは普通の人間。勿論、黒白黄色の肌の奴ら。
それから、神様の子孫とされる、神霊属人〈ナプトびと〉と呼ばれる亜人間。
ナプト人はほとんどの場合、ぱっと見普通の人間です。しかしながら、異なる人種間の交配で子供を作ることはできません。できたとしても、子供は繁殖能力を持たず、次世代の子孫を残すことができません。例外もありますが。
虹の民(ラニオ・トクス)は虹の七女神の子孫で、七色の女神の名を冠した七つの氏族があります。この七氏族はすべて同じ人種なので、互いに婚姻することも可能です。人間との婚姻も可能ですが、代を重ねるごとに生殖能力が衰えるので、三代以上続くことはまれです。また、琺夜族との婚姻も可能です(詳しくは「琺夜族語り」で)。
ラニオ・トクスは、モンゴロイド系の骨太で大柄な人々。体は丈夫です。
水の神セティオと水霊王爽歌(そうか)を祀っています。
ラニオ・トクス七氏族 | |||||
氏族 | 生息地 | 生活形態 | 主要言語 | 髪の色/質 | 目 |
赤(コキノス)族 | ロナ渓谷 | 不明 | ラニオ語 ヘイリェン語 |
赤/縮毛 | 茶〜黒 |
橙(ポルトカリ)族 | ラズカ山脈 | 定住/狩猟生活 | 世界標準語 ラニオ語 |
薄茶〜濃茶 /直毛 |
橙〜薄茶 |
黄(キトリノス)族 | ワサノ山脈全域 | 移住/遊牧生活 | 世界標準語 ラニオ語 スノゥリェンヌ語 |
金〜薄茶 /直毛 |
薄茶(まれに金) |
緑(プラシノス)族 | ソウユ湖全域 | 移住/船上生活 | 世界標準語 ラニオ語 |
薄茶/縮毛 | 緑〜茶 |
青(ガラズィオス)族 | ウィシュクペラ海〜ソウユ湖 | 移住/船上生活 | 世界標準語 ラニオ語 |
金〜薄茶 /縮毛 |
青〜緑 |
藍(ブレ)族 | クリシュエール地方〜ワサノ山脈 | 定住/都市生活 | 世界標準語 ラニオ語 クリシュエール語 |
濃茶〜黒 /直毛 |
青 |
紫(モヴ)族 | ラズカ山脈 | 定住/狩猟生活 | 世界標準語 ラニオ語 |
黒/縮毛 | 黒(まれに紫) |
☆コキノス族は絶滅寸前と言われていますが、渓谷の奥深くで暮らし、よそ者を寄せ付けない為、どういう人達なのか良く分かっていません。
☆ポルトカリ族はかつてクリシュエール地方〜ワサノ山脈辺りにアガポ国という民族国家を形成していましたが、サフェイス暦1444年にセルズ国の軍隊によって滅亡しました。その後、生き残りの民がソウユ湖を越えてラズカ山脈に東進し、☆モヴ族に狩猟を習って生活するようになりました。
☆キトリノス族は羊飼い。ワサノ山脈の岩山で暮らしています。村を作って生活しますが、10年単位で移動。
☆プラシノス族と☆ガラズィオス族は水の民。漁業や交易を生活の糧としています。
☆ブレ族はラニオ・トクス一文化的な民。かつては海賊達と戦っていました。クリシュエール地方のアウリア海に面する地域にシノア王国を築いていましたが、サフェイス暦1476年に琺夜国の侵攻により滅亡。現在も、琺夜国の統治下で生活しています。
コキノスは、氏族揃って引き篭もり。ポルトカリ、キトリノス、モヴの山組は割と仲良し。でも、たまに狩場の取り合いで揉め事あり。プラシノスとガラズィオスの船組も仲良し。貿易範囲での揉め事もほとんどなし。ブレは地理的にちょっと孤立。ただし船組やキトリノスとの交易はあり。
♪「月虹の彼方へ」Music by Vagrancy.