軌跡 ギリシア(ギリシャ)語メモ
メテオラいいよメテオラ!志方さん好きの歴史オタクにはたまらんよ!


 ええと、志方あきこ様の「軌跡」をギリシア語部分含めて歌いたい人、歌詞のギリシア語を知りたい人に捧げる辞書もどきです。

 現在、ギリシアで公的に使われるギリシア語には、古典っぽい文語体で「純正語」と訳される「カサレヴサ」と、1976年に標準語指定されたアテネ方言の「デモティキ(民衆語)」がありますが、『Harmonia』の「軌跡」で志方さんが歌唱されている歌詞は、デモティキです。素直な心情を伝える口語体。
 いやもう、テーマが個人的にツボで。みとせさんの歌詞、日本語も素敵なんだよなぁ。ギリシア語コーラス部分歌詞出なくていいからカラオケに入らんものか。
 (追記:↑とか言ってたら、DAMに入りましたね。しかもコーラス部分込みで。ギリシア語パート2つ重なってる所のバックコーラスはタイミングがずれまくってたけど。時々鋭アクセントじゃなくて古典語の無気、有気記号がついてたりしたけど。細かいケチつけちゃダメですね!)


 リシア文字部分はcenturyフォント指定。特殊文字が火を噴いてます。アクセント記号付ギリシア文字って無理したらhtmlでも出せるんだと初めて知りました。ソースがえらいことに。
 文字化けしてたらどうしよう。

 代ギリシア語のアクセントは強勢を示し、アクセント記号の部分を強く発音します。同じ綴りの単語はアクセントの位置によって意味が判断できます。色々とややこしかった古典ギリシア語とは違い、母音の長短で単語の意味が変わったりはしませんが、アクセントの母音はやや長め(場合によっては、はっきり長め)に発音されます。カタカナ読みにつけてある長音(ー)は割と適当。

 代ギリシア語の母音は日本語と同じく5音で、α=[a]η,ι,υ,ει,οι,υι=[i]ε,αι=[e]ο,ω=[o]の音は、ほぼ日本語の「あ」、「い」、「え」、「お」。ου[u]は「う」より唇を窄めた「ゅ」という感じの発音です。
 古典ギリシア語の長母音や二重母音の名残で、同じ母音を表す綴りが数種類あったりしますが、現代語なら(稀な例外を除き)区別する必要なし。

 記の母音に、β[v], γ[γ]か[j], δ[ð], ζ[z], θ[θ], κ[k]か[kj], λ[l], μ[m], ν[n], ξ[ks], π[p], ρ[r], σ[s]か[z], τ[t], φ[f], χ[x]か[ç], ψ[ps], γγ[ŋg], γκ[g], γχ[ŋx], μπ[b]か[mb], ντ[d]か[nd], τζ[dz]と子音がつくだけなので、慣れればローマ字のように読めます。・・って、書いてる本人がよく間違うんだから偉そうに言えませんが。
 いくつかの子音を除けばカタカナが当て易い、日本語話者にも割と発音し易い言語です。


※動詞の相(アスペクト)は、「アオリスト相」とか「完了相」とか書いてない限り継続相、態(ヴォイス)は特に断りがない限り能動態です。

πνεύματα(プヴマタ)・・「息吹たちは」。中性名詞πνεύμαプ  ヴ マ(息吹、精神)の複数主格もしくは対格。この場合は主格。
  ※ευ,αυは、一応二重母音。後ろに母音、あるいは有声子音β,γ,δ,ζ,λ,μ,ν,ρが続くと[ev][av]、無声音θ,κ,ξ,π,σ,τ,φ,χ,ψが続くと[ef][af]という発音になる。
του(トゥ)・・男性名詞単数形の属格につく定冠詞。
αέρα(アラ)・・「風の」。男性名詞αέραςラス(大気、風)の単数属格もしくは対格。この場合は属格。
που(プ)・・"that"関係代名詞。
τριγυρνάνε(トリギルナーネ)・・「(それらは)取り巻く」。動詞τριγυρνώト リ ギ ル ノー(〜を取り囲む、取り巻く)の直説法三人称複数現在形。
 γは[a],[u],[o]の母音につくと[ga],[gu],[go](正確には、[g]より喉の奥から出す)、[i],[e]の母音につくと[Ji],[Je]となる。γ+[i]は、後ろに母音が続くと[J]を表す子音のような扱いになる。(γιαは「イア」ではなく「ヤ」、γιουは「ユ」、γιοは「ヨ」)。
 γ+[i]、γ+[e]の発音は少し厄介で、英語yesのyより喉の奥から出る音。面倒臭く言うと「半母音的」な音らしい。カタカナの「イ」、「イェ」に近い場合と「ギ」、「ゲ」と濁って聞こえる場合がある。ガ・イ(ギ)・グ・イェ(ギェ)・ゴ。
  このサイズだと小文字j(J)がi(I)と区別つかんので大文字表記。

στον(スン)・・「〜に」。前置詞σε(幅広くat in onの意味を持つ)と定冠詞τονト ン(男性名詞単数形の対格につく)の省略形。
ουρανό(ウラノー)・・「空を」。男性名詞ουρανόςウラ(空)の単数対格。
 
 
τιςティス)・・女性名詞複数形の対格につく定冠詞。
  ςは、σが語末についた時の形。小文字の場合のみ形が変わる。大文字だと変わらずΣ
πλαγιές(プラギェース)・・「山腹(複)を」。女性名詞πλαγιάプラギァ(山や丘の斜面、山腹)の複数主格もしくは対格。この場合は対格。
και(キェ)・・「そして」。"and"。
  ※子音κは[a],[u],[o]の母音につくと[ka],[ku],[ko]、[i],[e]の母音につくと[kji],[kje]となる。カ・キィ・ク・キェ・コ。
τη(ティ)〔τηνティン)〕・・女性名詞単数形の対格につく定冠詞。
θάλασσαラサ)・・「海を」。女性名詞θάλασσα ラ サ(海)の単数主格もしくは対格。この場合は対格。
  ※子音θは、英語thinkのthに当たる音。英和辞典の発音記号の元。
  ※同じ子音が続いても、現代語では1音として発音される(γγは例外)。
σσσも発音は同じく[s]。
 
 
για(ヤ)・・「〜のために」。"for"。για ναヤ  ナの後に接続法の動詞が続くと、「〜するために」。
να(ナ)・・接続詞。動詞の接続法を伴って、「〜せんがために、〜ならばなあ」。
προστατέψουν(プロスタテープスン)・・「(それらを)守る」。動詞προστατεύωプロスタテヴォ(保護する)の接続法アオリスト相三人称複数形。
 ※接続法とは、従属文中での主観的な叙述を表し、接続法アオリスト相では「動作の完了」、「一回性」、「全体としての把握」などが示される・・って何だそれは?ここでは「風の息吹たちがあらゆる生き物を守っているんだ」という話し手の主観を語る言い回し。日本語訳するとだいたい直説法現在(こちらは客観的事実を語る時の形)と区別できない。主観的に・・「守るかのように」とでも訳せばいいんだろうか?ニュアンスが違う?
όλαオーラ)・・「〜の全て」。形容詞όλοςオーロス(全ての)の中性複数主格形か対格形。
τα(タ)・・中性名詞複数形の主格もしくは対格につく定冠詞。
πλάσματα(プズマタ)・・「創造物(生き物)たちを」。中性名詞πλάσμαズマ(創造物、生物)の複数主格もしくは対格。この場合は対格。
  ※σの音価は基本的に[s]だが、β,γ,δ,ζ,μ,ν,ρの前で[z]となる。
 
 

 『あまねく神の創り給いしものを守るために 空を 岩肌を そして海を取り巻く風の息吹たち』

ο(オ)・・男性名詞単数形の主格につく定冠詞。
ήχοςホス)・・「音は」。男性名詞ήχοςホス(音声)の単数主格。
που(プー)・・「〜するところの」。関係代名詞。
κάνουνカーヌン)・・「(それらは)する」。動詞κάνωカー(する、行う)の直説法現在三人称複数形。
τα(タ)・・中性名詞複数形の主格あるいは対格につく定冠詞。
φτερά(フテ)・・「翼(複)を」。中性名詞φτερόフテ(羽、翼)の複数主格あるいは対格。この場合は対格。
τουςトゥス)・・「(彼ら)の」。所有代名詞。三人称複数男性を指す。
 
 
είναιイーネ)・・「(それは)〜だ」。連辞動詞είμαιイー(存在する、〜だ:be動詞的なもの)の三人称単数もしくは複数現在形。この場合はο ήχοςオ ホスが主語なので三人称単数現在形。
σανン)・・「〜のように」。接続詞。
τονン)・・男性名詞単数形の対格につく定冠詞。β,γ,δ,φ,χ,θ,λ,μ,ν,ρ,σ,ζで始まる語につく場合、νが省略される。
ήχοホ)・・「音を」。男性名詞ήχοςイホス(音声)の単数対格。
από(ア)・・「〜から」。"from"。対格と共に使われる前置詞。
φλάουτο(フウト)・・「フルートを」。中性名詞φλάουτοウト(フルート)の単数主格もしくは対格。この場合は対格。
  ※イタリア語からの外来語。
 
 
και(キェ)・・「そして」。"and"。
η(イ)・・女性名詞単数形の主格につく定冠詞。
μουσική(ムスィキィ)・・「音楽は」。女性名詞μουσικήムスィキィ(音楽)の単数主格もしくは対格。この場合は主格。
αντηχεί(アンディ)・・「(それは)鳴り響く」。αντηχώアンディホー(反響する、鳴り響く)の直説法現在三人称単数形。
  ※χは[a],[u],[o]の母音につくと[xa],[xu],[xo]、[i],[e]の母音につくと[çi],[çe]となる。[x]はドイツ語Nacht(ナハト)のch。[ç]はドイツ語milch(ミルヒ)のch。
   ハ・ヒ・フ・ヒェ・ホ。
  ※
ντは単語の頭にある場合は[d]、語中にある場合には[nd]という発音になる。
ακόμα(アコーマ)・・「まだ、なお」。副詞。
και(キェ)・・「そして」。"and"。ακόμα καιコーマ   キェで「〜でさえ、〜ですら」。
τώραトーラ)・・「今、現在」。副詞。
 
 

 『彼らの(風の息吹たちの)翼の生む音は フルートの(鳴る)音のように存在し その音楽は今もなお鳴り響く』

ο(オ)・・男性名詞単数形の主格につく定冠詞。
αέρας(アラス)・・「風は」。男性名詞αέραςラス(大気、風)の単数主格。
πού(プー)・・「どこに」。疑問副詞。"that"。
  ※単音節の単語は、普通つけるまでもないのでアクセントが省かれるが、疑問副詞のπούは関係代名詞、接続詞のπουと区別するためにアクセント記号がつけられる・・ハズなんだけど、これ、関係代名詞の方だよな。他に出て来るπούも全部。リズム的な必要性があってアクセントがついてるんだろうか。
έρχεταιルヒェテ)・・「(それは)来る」έρχομαιルホメ(来る)の直説法現在三人称単数形。
μισάνοιξε(ミニクセ)・・?「(それは)半分開いている」?辞書になかった。動詞ανοίγωニー(開く)の直説法アオリスト相過去三人称単数形άνοιξεニクセに形容詞μισός(半分の)の語幹μισミ スがくっついた形だと思う。
  ※直説法アオリスト相過去とは、話し手がその動作を「過去に完了した(英語の過去完了)」、「過去に起こり、その結果が現在まで続いている(英語の現在完了進行形)」、「近い将来確実に起こる(「今、行く!」みたいな言い回し)」と捉えている時に取る形。ここでは、「過去に半開きにされた窓が現在も開けっ放しになっている状態」を指す。これで合ってるよな?μισανοίγωミサニーゴ(半分開く)なんて動詞が本当にあるのか知らないが。
το(ト)・・中性名詞単数形の主格もしくは対格につく定冠詞。
παράθυρο(パスィロ)・・「窓を」。中性名詞παράθυροスィロ(窓)の単数主格あるいは対格。この場合は対格。
 
 
πού(プー)・・「どこに」。疑問副詞。"that"。
αντανακλά(アンダナクラー)・・「(それは)映し出す」。αντανακλώアンダナクロー(映し出す、反映する)の直説法現在三人称単数形。
στη(スティ)・・「〜に」。前置詞σε(幅広くat in onの意味を持つ)と定冠詞τηティ(女性名詞単数形の対格につく)の省略形。
μνήμη(ムミ)・・「記憶を」。女性名詞μνήμη(記憶)の主格あるいは対格。この場合は対格。
πού(プ)・・「どこに」。疑問副詞。"that"。
μυστικά(ムスティ)・・「秘密の」。形容詞μυστικόςムスティの女性単数主格もしくは対格形。
κοιμάται(キマーテ)・・「(それは)眠る」。中受動態動詞κοιμάμαιキマーメ(眠る)の三人称単数現在形。
 
 

είναιイーネ)・・「(それは)〜だ」。連辞動詞είμαιイー(存在する、〜だ:be動詞的なもの)の三人称単数もしくは複数現在形。この場合はο αέραςオ アラスが主語なので三人称単数現在形。
έναナ)・・中性名詞(単数)主格あるいは対格につく不定冠詞。
  ※ギリシア語の定冠詞は性と格に応じた単数形と複数形があるが、不定冠詞は単数形のみがある。
διαφανές(ズィアファス)・・「透明な」。形容詞διαφανήςズィアファ(透明な)の中性単数主格もしくは対格形。
  ※子音δの音価は、英語のtheやthatのth。
ίχνοςフノス)・・「軌跡を」。中性名詞ίχνοςフノス(足跡、痕跡、形跡)の単数主格あるいは対格。この場合は対格。
λάμψηςンブスィス)・・「光の」。女性名詞λάμψηンブスィ(輝き、光)の単数属格。
 
 
διαρκούς(ズィアルス)・・「絶え間なく続く」。形容詞διαρκήςズィアルキィ(継続的な、永続する)の単数属格形。
προσευχής(プロセフヒィス)・・「祈りの」。女性名詞προσευχήプロセフヒィ(祈り、祈祷)の単数属格。

※枠内の単語が使われている歌詞はバックコーラスで歌われているので、よっぽど注意して聴かないと聴き取れません。



 『秘めやかに眠る記憶を映し出す 僅かに開いた窓から吹き込む風は
                   絶え間なく続く祈りの 透明な光の軌跡(である)』

{・τα(タ)・・中性名詞複数形の主格あるいは対格につく定冠詞。}
  ※歌詞カードには載ってないけど、歌ってるように聞こえたので。
πνεύματα(プヴマタ)・・「息吹(たち)は」。中性名詞πνεύμαプ  ヴ マ(息吹、精神)の複数主格もしくは対格。この場合は主格。
του(トゥ)・・男性名詞単数形の属格につく定冠詞。
αέρα(アラ)・・「風の」。男性名詞αέραςラス(大気、風)の単数属格もしくは対格。この場合は属格。


πού(プー)・・「どこに」。疑問副詞。"that"。関係代名詞。
κρατάτε(クラターテ)・・「(君たちが)支配する」。κρατώクラトー(支配する)の直説法二人称複数現在形。
σε(セ)・・前置詞。幅広くat in onの意味を持つ。
επαφή(エパフィ)・・「接触を」。女性名詞επαφήエパフィ(接触、交渉)の単数主格もしくは対格。この場合は対格。
τονン)・・男性名詞単数形の対格につく定冠詞。
ουρανό(ウラノー)・・「空を」。男性名詞ουρανόςウラ(空)の単数対格。
και(キェ)・・「そして」。"and"。
τηνティン)・・女性名詞単数形の対格につく定冠詞。
γη(ギ)・・「大地を」。女性名詞γη(大地)の単数主格もしくは対格。この場合は対格。
  ※カサレヴサ(文語)ではγαία。古典語風に読むと「イェア(ゲア)」ではなく「ガイア」。


εύχομαιフホメ)・・「(私は)祈る」。中受動態動詞εύχομαιフホメ(祈る)の一人称単数現在形。
η(イ)・・女性名詞単数形の主格につく定冠詞。
ευλογίας(エヴロアス)・・「祝福の」。女性名詞ευλογίαエヴロ(祝福、恵み)の単数属格。
  ・・冠詞と名詞の格が違う。ここは主格ευλογίαエヴロ(祝福が)じゃないとおかしくないか?誤植だろうか。
  ※
γιαという綴りでは、普通γιが子音[J]として扱われ[Ja}と読むが、↑のようにιにアクセント記号がついてγίαとなった場合、γιと後ろに続く母音は別に発音される。
σαςス)・・「君たちの、あなたの」。所有代名詞。二人称複数(あるいは敬語的に二人称単数)を指す。
να(ナ)・・接続詞。動詞の接続法を伴って、「〜せんがために、〜ならばなあ」。
μη(ミ)・・「〜しないように」。否定の小辞。
τελειώσει(テリオースィ)・・「(それらが)終わる」。τελειώνωテリオー(終える、終わる)の接続法アオリスト相三人称単数形。
  ※また接続法アオリスト相。να μη τελειώσει ποτέで「絶対に終わりませんように!」と話し手の主観を述べる言い回し。
ποτέ(ポ)・・「いつか、かつて、そのうち」。副詞。否定辞を伴うと、「決して〜でない」。


 ※最後のコーラスも聴き取り難いです。

 『天と地の触れるところを支配する 風の息吹たちよ あなたたちの祝福が決して絶えることのないように祈ります』

 テオラ(Μετέωρα)とは、ギリシア中部テッサリア(セサリア)地方(Θεσσαλία)トリカラ県(Νομος Τρικάλων)の奇岩群と、その上に立つ修道院群からなる複合遺産のこと。
 その名は「浮遊している、宙ぶらりんの」を意味する形容詞(辞書形μετέωροςメテオロス)に由来する。無造作に転がる巨岩の頂に、まるで天空に浮かぶように修道院が建つその威容は、まるでラピュタ。
 少しでも神に近い場所で祈りを捧げようとしたギリシア正教の隠修士たちが、9世紀頃から岩の上で孤独に祈る目的で住み始めた。それが、14世紀、セルビア人の侵入によって状況が変わる。隠修士たちは異教徒との争いから逃れるため、余人に侵し難い巨岩の上に修道院を建てて共同生活を始めた。約60ある奇岩群の高さは約20〜400m。最大のメタモルフォシス修道院などは標高500mを超える場所に建っている。

 盛期には24の修道院が建てられたが、現在残っている建物は8つ。その内の6つ、メタモルフォシス(Μεταμόρφωσηメタモルフォスィ τουトゥ Σωτήροςソティロス)とも呼ばれる大メテオロン修道院(Ιεράイエラ Μονήモニ Μεγάλουメガル Μετεώρουメテオル)、ヴァルラアム修道院(Ιεράイエラ Μονήモニ Βαρλαάμヴァルラアム)、ルサヌウ修道院(Ιεράイエラ Μονήモニ Ρουσσάνουルサヌ)、聖ステファノス修道院(Ιεράイエラ Μονήモニ Αγ.アギオス Στεφάνουステファヌ)、聖トリアダ修道院(Ιεράイエラ Μονήモニ Αγ.アギア Τριάδοςトリアゾス)、聖ニコラウス修道院(Ιεράイエラ Μονήモニ Αγ.アギオス Νικολάουニコラウ Αναπαυσάアナパフサ)が、現在でも活動している。

 1988年、ユネスコ世界遺産に登録された。絶景もさることながら、ポスト・ビザンティン美術だのクレタ派のフレスコ画だのイコンだのが多く残る文化遺産としても貴重。
 巨岩の上まで地道に建材を運び、命懸けで修道院を築いた修道士達から始まり、今もなお続く信仰の軌跡が一番価値あるものだなどとは、言うまでもない。世俗を避けて僻地に住んでいる修道士達にしてみれば、観光地化はいい迷惑みたいだけど。

 方あきこ様の『Harmonia』歌詞カードで「軌跡」の歌詞背景に使われている写真は、右手前がヴァルラアム、奥がメガロ・メテオロン・・のように見える。違ってたらごめんなさい。

この文章書いてる人は素人です。色々と間違ってるかもしれません。
このページはあくまで「『Harmonia』買ったけど読めない、歌えない」人向け辞書もどきであって(参考に・・なるのかこれ?)、
著作権侵害の意図はこれっぽっちもありません。が、もし怒られたら消えます。



参考文献
 『現代ギリシア語辞典』(リーベル出版 第3版増補版 2004)
 ギリシア語→日本語。逆は引けない。川原拓雄さんという方が独力で作ったすごい辞書。ディモティキ主体で見出し語数34,000語。動詞の変化形(相)も分かり易く、値段以外に文句の付け所がない。

 『こうすれば話せる CD現代ギリシア語』(朝日出版社 1999)
 長嶋善郎さんと下宮忠雄さんの著作。日常会話主体の初心者用テキスト。お世話になり過ぎて付属のCDがどっか行きました。

 『現代ギリシア語文法ハンドブック』(白水社 2009)
 福田千津子さんによる文法書。↑に比べれば堅苦しいけど、すごく分かり易い。

 『世界遺産学検定公式テキストブック<2> ヨーロッパの遺産+世界の危機遺産』(講談社 2006)
 メテオラあれこれ。修道院の和名などはこのテキストに準拠しています。