Une Reine(Excalibur) フランス語メモ
Cécile Corbel " Graal "より
" Graal "10曲目、王妃グィネヴィアの歌。
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※動詞の法は、特に断りがない限り直説法です。
・une(ユヌ)・・女性名詞単数形につく不定冠詞。
・reine(レーヌ)・・「女王、王妃」。女性名詞単数形。
・Excalibur(エクスカリビュール)・・「エクスカリバー」。女性固有名詞。剣の名前。
『ある女王(エクスカリバー)』
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・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・médaille(メダイユ)・・「メダル、記章、勲章、護符」。女性名詞単数形。
・a(ア)・・「(それは)~を持っている」。英語のhave動詞に当たる他動詞avoirの三人称単数現在形。
・son(ソン)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。男性単数形。
・revers(ルヴェール)・・「裏、裏面」。男性名詞単数形。"Toute médaille a son revers.(全てのメダルには裏がある)"で「物事には全て裏(良い面と悪い面)がある」という意味のことわざ。
『メダルには裏がある』
・chaque(シャク)・・「それぞれの、~ごとに」。不定形容詞。
・miroir(ミロワール)・・「鏡、鏡面、映すもの」。男性名詞単数形。
・son(ソン)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。男性単数形。
・reflet(ルフレ)・・「反射光、照り返し、(映った)姿、反映するもの」。男性名詞単数形。
『どの鏡にも、鏡像が』
・toute(トゥット)・・「全ての、あらゆる」。不定形容詞tout(~全体、~すべて)の女性単数形。
・chose(ショーズ)・・「もの、こと」。女性名詞単数形。
・son(ソン)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。男性単数形。
・contraire(コントレール)・・「反対、逆」。男性名詞単数形。
『あらゆるものに、その逆が』
・entre(アントル)・・「~の間に」。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・faux(フォ)・・「虚偽、偽物、偽造」。男性名詞単数形。
・et(エ)・・「そして、~と」。接続詞。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・vrai(ヴレ)・・「真実」。男性名詞単数形。
『偽りと真実の間に』
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・mais(メ)・・「だが、でも、いったい、さて」。接続詞。
・moi(モワ)・・「私は」。一人称単数の人称代名詞強勢形。ここでは主語の強調。
・j'ai(ジェ)・・一人称単数の人称代名詞je(私は)+英語のhave動詞に当たる助動詞avoirの一人称単数現在形。ここでは過去分詞を伴って複合過去を作っている。
・rêvé(レヴェ)・・間接他動詞rêver(~の夢を見る、~を夢見る)の過去分詞。"J'ai rêvé de~"で「私は~を夢見た」。
・d'une(デュヌ)・・前置詞de+女性名詞単数形につく不定冠詞une。
・épée(エペ)・・「剣」。女性名詞単数形。
《d'une épée(デュネペ)》
『けれど、私は剣を夢見た』
・mais(メ)・・「だが、でも、いったい、さて」。接続詞。
・pas(パ)・・「~ない」。否定の副詞。neは省略。
・pour(プール)・・「~のために」。前置詞。
・semer(スメ)・・「~を蒔く、種を蒔く、~をばら撒く、(追っ手を)撒くこと」。他動詞の不定詞。
・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・haine(エンヌ)・・「憎しみ、憎悪」。女性名詞単数形。このhは有音なのでエリジヨンしない(l'haineにならない)。
『憎しみの種を蒔くためではなく』
・une(ユヌ)・・女性名詞単数形につく不定冠詞。
・épée(エペ)・・「剣」。女性名詞単数形。
《une épée(ユネペ)》
・pour(プール)・・「~のために」。前置詞。
・me(ム)・・「私を」。一人称単数、目的格の人称代名詞。
・guider(ギデ)・・「案内する、先導する、誘導する、指針を与えること」。他動詞の不定詞。
『私を導くための剣を』
・quand(カン)・・「~の時、~する時」。接続詞。
・j'ai(ジェ)・・一人称単数の人称代名詞je(私は)+英語のhave動詞に当たる他動詞avoirの一人称単数現在形。
・peur(プール)・・「恐怖、心配」。女性名詞単数形。"avoir peur que 接続法"で「~するのではないかと心配する、恐れる」。
・que(ク)・・接続詞。
・les(レ)・・名詞の複数形につく定冠詞。
・larmes(ラルム)・・「涙(複)」。女性名詞larme(涙)の複数形。
・viennent(ヴィエン)・・「(それらが)生じる」。自動詞venir(行く、来る)の接続法現在三人称複数形。
『涙が零れるのではないかと恐れる時』
・dans(ダン)・・「~の中で」。前置詞。
・l'eau(ロー)・・「水」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞eau(水)の単数形。
・trouble(トルーブル)・・「濁った、曇った、怪しげな」。形容詞単数形。
・des(デ)・・「~のせいで」。縮約冠詞。前置詞de+名詞の複数形につく定冠詞lesの縮約。
・contraires(コントレール)・・「対立(複)」。男性名詞contraire(反対、逆)の複数形。
・entre(アントル)・・「~の間の」。
・l'ombre(ローンブル)・・「闇」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞ombre(影、闇)の単数形。
・et(エ)・・「~と」。接続詞。
《l'ombre et(ローンブレ)》
・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・lumière(リュミエール)・・「光、日光、明かり」。女性名詞単数形。
『闇と光の間の、対立で濁った水の中で』
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・et(エ)・・「そして、~と」。接続詞。
・du(デュ)・・「~から」。縮約冠詞。前置詞de+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
・matin(マタン)・・「朝、午前」。男性名詞単数形。
・au(オ)・・「~まで」。縮約冠詞。前置詞à+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
・soir(ソワール)・・「晩、夕方、夜、午後」。男性名詞単数形。"du matin au soir"で「朝から晩まで、一日中、絶え間なく」。
『そして、朝から晩まで』
・sourire(スリール)・・「微笑むこと」。自動詞の不定詞。
・ou(ウー)・・「または、あるいは」。接続詞。
・bien(ビヤン)・・副詞。ここではouの強意。
・pleurer(プルレ)・・「泣く、涙を流すこと」。自他動詞の不定詞。
『泣いても笑っても』
・tout(トゥー)・・「全て、全部、何でも」。不定代名詞。
・sera(スラ)・・「(それは)~になるだろう」。英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数単純未来形。
・vrai(ヴレ)・・「真実」。男性名詞単数形。
・tôt(トー)・・「早く」。副詞。
・ou(ウー)・・「または、あるいは」。接続詞。
・tard(タール)・・「遅く」。副詞。"tôt ou tard"で「遅かれ早かれ」。
『遅かれ早かれ、全ては真実になるでしょう』
・mais(メ)・・「だが、でも、いったい、さて」。接続詞。
・je(ジュ)・・「私は」。一人称単数主格の人称代名詞。
・dois(ドゥワ)・・「(私は)~しなければならない」。他動詞devoir(~しなければならない、~するに違いない、必ず~する)の一人称単数現在形。不定詞を伴う。
・décider(デスィデ)・・「決める、決定する、決めさせること」。他動詞の不定詞。
『けれど、決めなければならない』
・silencieuse(スィランスィユーズ)・・「静かな」。形容詞silencieux(無言の、沈黙した、静かな)の女性単数形。
・ou(ウー)・・「または、あるいは」。接続詞。
・ardente(アルダント)・・「情熱的な」。形容詞ardent(強烈な、燃えるように熱い、燃えている)の女性単数形。
『沈黙か、あるいは情熱か』
・mêlant(メラン)・・「混ぜている」。他動詞mêler(混ぜる、混ぜ合わせる)の現在分詞。分詞構文、この場合はどう取ればいいんだ?
・l'eau(ロー)・・「水」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞eau(水)の単数形。
・et(エ)・・「~と」。接続詞。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・feu(フー)・・「火、砲火、照明」。男性名詞単数形。
『水と火を混ぜる時』
・invisible(アンヴィズィーブル)・・「目に見えない、不可視の、目に見えないほどの、姿を見せない」。形容詞単数形。
・ou(ウー)・・「または、あるいは」。接続詞。
・présente(プレザーント)・・「立ち会う」。形容詞présent(出席している、存在する、意欲的な、現在の)の女性単数形。ここの訳、何とすればいいんだろう?どっちも語り手(グィネヴィア)自身にかかる形容詞だとして、「目に見えないか、存在するか」だと訳が分からないよな。
『身を隠すか、向き合うか』
・choisir(ショワズィール)・・「~を選ぶ、選択する、決めること」。他動詞の不定詞。
・ne(ヌ)・・「~ない」。否定の副詞。
・serait(スレ)・・「(それが)~だったろう」。英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの条件法現在三人称単数形。ここでは過去における未来か。
・qu'un(カン)・・接続詞que+男性名詞(単数形)につく不定冠詞un。"ne~que~"で「~しか~ない、~だけ~である」。
・jeu(ジュー)・・「遊び、ゲーム、競技、賭け事、演奏、冗談」。男性名詞単数形。
『選ぶのは、児戯でしかないでしょう』
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・mais(メ)・・「だが、でも、いったい、さて」。接続詞。
・moi(モワ)・・「私が」。一人称単数の人称代名詞強勢形。ここでは主語の強調。
・si(スィ)・・「もし~なら」。仮定の接続詞。
・j'avais(ジャヴェ)・・「(私が)持っていたら」。一人称単数主格の人称代名詞je(私は)+英語のhave動詞に当たる他動詞avoirの一人称単数半過去形。ここでは現実に反する仮定。
・une(ユヌ)・・女性名詞単数形につく不定冠詞。
・épée(エペ)・・「剣」。女性名詞単数形。
《J'avais une épée(ジャヴェズュネペ)》
『でも、私が剣を持っていたら』
・comme(コム)・・「なんと、実に」。接続詞。ここだと感嘆の副詞的な使い方かな?
・je(ジュ)・・「私は」。一人称単数主格の人称代名詞。
・me sentirais(ム サンティーレ)・・「私が~だと感じるだろうに」。自他動詞sentir(~を感じる、~のにおいがする、におう)の代名動詞形 se sentir(自分が~だと感じる、自分が~するのを感じる)の条件法現在一人称単数形。ここでは仮定文の帰結節。
・reine(レーヌ)・・「女王、王妃」。女性名詞単数形。この歌の語り手は元々reine(王妃)な訳だから、ここでは「自ら権力を持って主体的に事を為せるreine(女王)だったら」の意味だろう。
『本当に女王になった気分で』
・je(ジュ)・・「私は」。一人称単数主格の人称代名詞。
・couperais(クープレ)・・「(私は)切るだろうに」。自他動詞couper{~を切る、~を裁断する、~を遮る、(刃物が)切れる、近道をする}の条件法現在一人称単数形。
・court(クール)・・「短く」。副詞。"couper court à ~"で「~を突然打ち切る、~をぴたりと遮る」。
・aux(オ)・・縮約冠詞。前置詞àと複数形につく定冠詞lesの縮約。
《court aux(クーロ)》
・tourment(トゥルマン)・・「悩み」。男性名詞tourment(悩み、悩みの種、苦痛、懊悩)の複数形。
『悩みをすっぱり断ち切るでしょうに』
・comme(コム)・・「~のように」。接続詞。
・des(デ)・・名詞の複数形につく不定冠詞。
・fils(フィル)・・「糸(複)」。男性名詞fil(糸、コード、繊維の方向、流れ)の複数形。
『糸のように』
・des(デ)・・名詞の複数形につく不定冠詞。
・rubans(リュバン)・・「リボン(複)」。男性名詞ruban(リボン、テープ、帯状のもの)の複数形。
・de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
・laine(レーヌ)・・「羊毛、ウール、毛糸」。女性名詞単数形。
『ウールのリボンのように』
・je(ジュ)・・「私は」。一人称単数主格の人称代名詞。
・choisirais(ショワズィーレ)・・「(私は)選ぶだろうに」。他動詞choisir(~を選ぶ、選択する、決める)の条件法現在一人称単数形。
・parmi(パルミ)・・「~の間に、~の中で」。3つ以上のものを表す複数名詞または集合名詞につく。
・les(レ)・・名詞の複数形につく定冠詞。
・reflets(ルフレ)・・「映るもの(複)」。男性名詞reflet{反射光、照り返し、(映った)姿、反映するもの}の複数形。
・celui(スリュイ)・・「~の人、~のもの」。指示代名詞。男性単数形。
・qui(キ)・・関係代名詞。"celui qui ~"で「~する人、もの」。
・en(アン)・・「それを」。中性代名詞。不特定の人、ものを指す。
・vaut(ヴォ)・・「(それは)価値がある」。自他動詞valoir(~の値段である、~の価値がある、~する価値がある、~をもたらす)の三人称単数現在形。
・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・peine(ペンヌ)・・「苦労、苦痛、刑罰」。女性名詞単数形。"valoir la peine (de 不定詞/que 接続法)"で「~する価値がある、~するに値する」。
『鏡像の中から、価値あるものを選ぶでしょうに』
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・tout(トゥー)・・「全て、全部、何でも」。不定代名詞。単数形。
・se mêle(ス メル)・・「(それは)混ざり合う」。他動詞mêler(混ぜる、混ぜ合わせる)の代名動詞形 se mêler(混ざり合う、もつれる)の三人称単数現在形。
・à(ア)・・前置詞。
・présent(プレザン)・・「現在」。男性名詞単数形。"à présent"で「現在は、今では」。
『今や、全てが混ざり合っている』
・l'avenir(ラヴニール)・・「未来」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞avenir(将来、未来)の単数形。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・passé(パセ)・・「過去」。男性名詞単数形。
『未来、過去』
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・soleil(ソレイユ)・・「太陽、日光、日差し、ひなた」。男性名詞単数形。
・et(エ)・・「そして、~と」。接続詞。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・vent(ヴァン)・・「風」。男性名詞単数形。
『太陽と風』
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・premier(プルミエ)・・「最初の人、もの、前者」。男性名詞単数形。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・dernier(デルニエ)・・「最後の人、もの、びり」。男性名詞単数形。
『最初の人、最後の人』
・de(ドゥ)・・「~から」。前置詞。
・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・joie(ジョワ)・・「喜び、嬉しさ、喜びの種、楽しみ」。女性名詞単数形。
・à(ア)・・「~まで」。前置詞。
・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・peine(ペンヌ)・・「苦労、苦痛、刑罰」。女性名詞単数形。
『喜びから苦悩まで』
・de(ドゥ)・・「~から」。前置詞。
・l'hiver(リヴェール)・・「冬」。頭語が母音かhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞hiver(冬)。
・à(ア)・・「~まで」。前置詞。
・l'été(レテ)・・「夏」。頭語が母音かhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞été(夏)。
『冬から夏まで』
・de(ドゥ)・・「~から」。前置詞。
・l'amour(ラムール)・・「愛」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞amour(愛)の単数形。
・à(ア)・・「~まで」。前置詞。
・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・haine(エンヌ)・・「憎しみ、憎悪、嫌悪」。女性名詞単数形。
『愛から憎しみまで』
・mon(モン)・・「私の」。一人称単数の所有形容詞。男性単数形。
・cœur(クール)・・「心、気持ち」。男性名詞単数形。
・lourd(ルール)・・「重苦しい」。形容詞男性単数形。
・ou(ウー)・・「または、あるいは」。接続詞。
・léger(レジェ)・・「軽い、薄い」。形容詞男性単数形。
『重く、あるいは軽い私の心』
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・mais(メ)・・「だが、でも、いったい、さて」。接続詞。
・moi(モワ)・・「私が」。一人称単数の人称代名詞強勢形。ここでは主語の強調。
・si(スィ)・・「もし~なら」。仮定の接続詞。
・j'avais(ジャヴェ)・・「(私が)持っていたら」。一人称単数主格の人称代名詞je(私は)+英語のhave動詞に当たる他動詞avoirの一人称単数半過去形。ここでは現実に反する仮定。
・une(ユヌ)・・女性名詞単数形につく不定冠詞。
・épée(エペ)・・「剣」。女性名詞単数形。
《J'avais une épée(ジャヴェズュネペ)》
『でも、私が剣を持っていたら』
・comme(コム)・・「なんと、実に」。接続詞。ここだと感嘆の副詞的な使い方かな?
・je(ジュ)・・「私は」。一人称単数主格の人称代名詞。
・me sentirais(ム サンティーレ)・・「私が~だと感じるだろうに」。自他動詞sentir(~を感じる、~のにおいがする、におう)の代名動詞形 se sentir(自分が~だと感じる、自分が~するのを感じる)の条件法現在一人称単数形。ここでは仮定文の帰結節。
・reine(レーヌ)・・「女王、王妃」。女性名詞単数形。
『本当に女王になった気分で』
・je(ジュ)・・「私は」。一人称単数主格の人称代名詞。
・couperais(クープレ)・・「(私は)切るだろうに」。自他動詞couper{~を切る、~を裁断する、~を遮る、(刃物が)切れる、近道をする}の条件法現在一人称単数形。
・court(クール)・・「短く」。副詞。"couper court à ~"で「~を突然打ち切る、~をぴたりと遮る」。
・aux(オ)・・縮約冠詞。前置詞àと複数形につく定冠詞lesの縮約。
《court aux(クーロ)》
・tourment(トゥルマン)・・「悩み」。男性名詞tourment(悩み、悩みの種、苦痛、懊悩)の複数形。
『悩みをすっぱり断ち切るでしょうに』
・comme(コム)・・「~のように」。接続詞。
・des(デ)・・名詞の複数形につく不定冠詞。
・fils(フィル)・・「糸(複)」。男性名詞fil(糸、コード、繊維の方向、流れ)の複数形。
『糸のように』
・des(デ)・・名詞の複数形につく不定冠詞。
・rubans(リュバン)・・「リボン(複)」。男性名詞ruban(リボン、テープ、帯状のもの)の複数形。
・de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
・laine(レーヌ)・・「羊毛、ウール、毛糸」。女性名詞単数形。
『ウールのリボンのように』
・dans(ダン)・・「~の中で」。前置詞。
・l'eau(ロー)・・「水」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞eau(水)の単数形。
・trouble(トルーブル)・・「濁った、曇った、怪しげな」。形容詞単数形。
・des(デ)・・「~のせいで」。縮約冠詞。前置詞de+名詞の複数形につく定冠詞lesの縮約。
・contraires(コントレール)・・「対立(複)」。男性名詞contraire(反対、逆)の複数形。
・entre(アントル)・・「~の間の」。
・l'ombre(ローンブル)・・「闇」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞ombre(影、闇)の単数形。
・et(エ)・・「~と」。接続詞。
《l'ombre et(ローンブレ)》
・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・lumière(リュミエール)・・「光、日光、明かり」。女性名詞単数形。
『闇と光の間の、対立で濁った水の中で』
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アルテュール(アーサー)王の伝説の剣......
ある時は、貴族たちに立ち向かい、その時空位だったブリタニア王国の玉座に相応しい後継者を据えるため、メルラン(マーリン)がクリスマスイブに岩に突き刺した剣。ある時は、湖の乙女自身の手でアーサーに贈られた剣。エクスカリビュール(エクスカリバー)は、ケルトの叙事詩のあらゆる英雄がその力を正当化するために所持すべき伝説の武器の原型である。
中世の武勲詩では、そもそも全ての剣に名前がある。
魔法で鍛造されたこの剣は、英雄の死と共に消えて、魔法の世界へと戻る運命にある。
したがって、アーサーの死によって、エクスカリバーは湖水に投げ込まれ、ヴィヴィアーヌ(ヴィヴィアン)の手に戻る......
聖杯伝説において、剣はそれを所持する騎士に力と正義をもたらすけれど、比喩的な意味では、内なる闘いと、善悪の間で決断した後に急に浮かぶかもしれない天啓の象徴でもある。
その際、剣は、地上で行われる実際の戦争に用いるよりも、むしろ人間が精神的、あるいは哲学的な面で闘うための武器となる。剣は、善と知に手を伸ばすため、何よりもまず自身の弱さと幻想に打ち克つべき、内なる闘いの盟友である。
文字通りの意味でも、比喩的な意味でも、剣は毒麦から良い種を分ける(善悪を区別する)。そして、相反するものを分けるには、良く研がれていなければならない。
それは、破壊的であり創造的でもある。
弁舌の解放者たるそれは、諸刃の武器なので、それを扱う者にとって危険でもある。
私の歌で、私はその剣をある女性に渡すことを夢見る......
アーサー王伝説に登場する女性たちが、騎士たちと同様に戦闘員ではないとしても、アーサー王伝説の想像物は、ケルト神話のそれに通じ、彼女らの内何人かに卓越した力を与えている。時に、強大な魔法を使う恐ろしいモルガーヌ(モーガン)、人間たちを、そして魔法の世界を母のように見守るヴィヴィアーヌ(ヴィヴィアン)、そして、ランスロットに渇望されるアーサーの伴侶グニェーヴル(グィネヴィア)にも、ある意味では同じく。彼女を獲得することは、王位の獲得に似ている。彼女なくして王はなく、彼女なくして王国はないのだ。
「女ドルイド」であれ、「母なる守護の女神」であれ、あるいは「ケルトの女王」であれ、アーサー王伝説に登場する女性たちは皆、男性たちと同じく、善と悪を切り分けるこの魔法の剣を振るうに値すると私には思える。茨や信念のジレンマの間に道を切り拓く助けとするために。
(Cécile Corbelによる楽曲解説)
※人名等固有名詞は、「ヴィヴィアーヌ(ヴィヴィアン)」のようにフランス語名カナ読みの隣に日本で馴染みのある表記(概ね英語風)を並べ、二度目以降の登場は後者に統一しています。
アーサー王の妃、グィネヴィアとは、どういう人物か。
ジェフリー・オブ・モンマス(Geoffrey of Monmouth)さんによる1135~38年頃のラテン語著作"Historia
regum Britanniae(ブリタニア列王史)"においては、アルトゥルス(アーサー)王がグエンフウァラ(グィネヴィア)を王妃に迎えたこと、彼女がブリタニア全土に並ぶ者なき美貌の女性であったことが書かれている。後に、王が王妃と甥のモードレドゥス(モードレッド)にブリタニアを託してローマ人と戦争している間に、二人が裏切って姦通し、王位を乗っ取ったこと、アーサーとモードレッドの間で激しい戦いが起こり、グィネヴィアがレギオ市のユリウス教会に逃れて尼となったことも。
上記を元にした、ウァースさんによる" Roman de Brut(ブリュ物語) "だと、少しだけグィネヴィアの心情が語られる。
『彼女はヨークにあって、深い悲しみに暮れていた。犯した恥辱を思い起こし、モルドレに身を任せ、良き王に不貞をはたらき、キリスト教徒の教えに背き、王の甥のモルドレと関係をもった自らの身の汚れを思い、生きているより死んだ方がましだと、大いに嘆き悲しんだ。彼女はカルリオンに逃げ、そこの修道院に入り修道女となり、ヴェールをかぶって修道院に身を隠した。その後彼女を見た人も声を聞いた人もなく、誰にも見つからず、犯した罪の大きさに恐れおののいて暮らした。』〔参4〕p168より引用
ジェフリー・オブ・モンマスさんと同時期、カラドック・オ・ランカルヴァン(Caradog o Lancarfan)さんによる"Vita Sancti Gildae(聖ギルダス伝)"には、聖ギルダスの功績を伝える一節の中に、さらりとグィネヴィアの誘拐について書かれている。
「夏の国(Aestiva regione)の王メルウァースがグエンヌウァル(グィネヴィア)妃を攫い辱めたことで、アルトゥルス(アーサー)小王が大軍を率いて※註1グラストニアの町を包囲した。今にも戦端が開かれようというところで、グラストニアの修道院長が聖ギルダスらを伴って両者を仲裁し、王妃はアーサーに返還されて平和的解決となった」というもの。
数十年後、上記の僅かな記述を換骨奪胎して何かすごいことになった物語が、Dans Les Yeux De Ma Belle (Lancelot)でも触れた" Lancelot ou le Chevalier de la charrette(ランスロまたは荷車の騎士) "である。クレティアン・ド・トロワ(Chrétien de Troyes)さんが筆を執り、ゴドフロワ・ド・ラニー(Godefroi de Leigni)さんが完結させた傑作ロマンスであり、おそらくグィネヴィアの人物像、性格をしっかり描写した最初期の作品であろう。
この物語は、ゴール国の王※註2ボードマギュの息子メレアガンに誘拐されたグニェーヴル(グィネヴィア)を救わんとするランスロー(ランスロット)の冒険譚である。攫われたヒロインを取り戻すのは、夫アーサー王ではなく、忠実なる騎士ランスロットになった。
ランスロットは連れ去られるグィネヴィアを追う途中、荷車を曳く小人に「彼女が行く先を見なかったか?」と尋ねた。邪な小人は、「おぬしがこの荷車に乗る気があるのなら、明日には王妃がどうなったか分かるだろう」と答えて立ち止まりもしない。
この作中において、「荷車とは罪人を晒し者にするために使われる忌むべき道具であり、これに乗るのはとんでもなく不名誉なことである」という設定になっている。
あまりの恥辱に一瞬躊躇するランスロットだが、王妃への愛のため、言われた通り荷車に飛び乗った。
追跡中のランスロットは、至る所で「荷車に乗っていた騎士」と蔑まれ、貶められる。それにやたらと決闘を挑まれたり、乙女に助けられたり誘惑されたり、この男、とんでもなくモテるので、彼が困っていると、どこからともなく現れる乙女や奥方が助けになってくれるのだ。助けを求められたりする。完璧な騎士は貴婦人の頼みは基本断らないのだ。かと思えば、ゴール国に囚われていたログル王国(アーサー王の国)の人々から、「我ら全員を解放してくれる騎士様が来てくれた!」と持て囃されたりする。
ランスロットは行く先々で敵を打ち破り、誘惑を退け、助けを求める者を助け、あらゆる困難を乗り越えて、遂に王妃の連れて行かれたボードマギュ王の城に辿り着き、誘拐犯メレアガンと決闘する。ボードマギュ王は、「あれほどの騎士は他にいない。どうか王妃を返してあの騎士と和解するように」と苦言を呈するが、高慢なメレアガンの耳には入らなかった。
ランスロットは塔の上から戦いを眺めるグィネヴィアを見つめるのが忙しくて、一時劣勢に陥るものの、持ち前の武力に愛の力がブーストされてメレアガンを圧倒する。息子の不埒な行いを恥じつつもその命を惜しんだボードマギュ王は、グィネヴィアに「ランスロットが剣を引くよう頼んでは下さるまいか」と願う。
グィネヴィアは快く応じた。メレアガンは大嫌いだが、王は他国の王妃に正しく敬意を払い、親切にもてなしてくれていた。
王妃の望みとあらば直ちに戦いを止めるランスロットだが、メレアガンは屈辱のあまり敗北を受け入れない。1年後にアーサー王の宮廷で両者が再び決闘する、と取り決め、一旦の和解となる。
ランスロットは、ようやく会える王妃の元へ喜び勇んで駆けつける。しかし、何故かグィネヴィアはつれない。忠臣の骨折りを感謝することもなく、冷たく退ける。
ところで、ゴール国には不思議なしきたりがあった。この国に囚われている人が一人でも出国するなら、他の囚人も全員自由に出国できる、というものだ。訳が分からないけど、どうもこのお話は古くからある《冥界下り》の物語の形式に則っていて、ランスロットによる試練の突破が、冥界に囚われた人々の解放へと繋がるのは、そういうセオリーらしい。
大喜びで供をしたいと言うログル王国の人々と共に、しょんぼりしつつ武装を解いて出国しようとするランスロットだが、ボードマギュ王が通行の自由を保証したことを知らないゴール国の人々に捕まってしまう。
たちまち、「王の家来たちがランスロットを捕らえて殺してしまった」という噂が駆け巡る。まだボードマギュ王の元にいてそれを聞いたグィネヴィアは、衝撃と悲嘆の余り死にそうになった。
自分のためにああまで尽くしてくれたランスロットに、どうしてあんな仕打ちをしてしまったのだろう?あれが今生の別れになるなんて。自責と後悔の余り飲食もできず嘆き悲しみ、窶れ果てる王妃。
これまた人々の口を介して尾鰭がつき、ランスロットの耳に届いた時には、「王妃様が亡くなった」となっていた。
やはり大いに苦悩し、自殺を試みるランスロット。彼を捕まえて監視しているゴール国の人々にも同情される始末である。
ランスロットが引き立てられて来ると、ボードマギュ王は家臣の勝手な行動に激怒し、全員死刑にすると息巻いた。懸命に王を宥めるランスロット。この時には、「やっぱり王妃様死んでなかった」と知ったおかげで、彼はもう元気いっぱい幸せいっぱいで、心も広くなっていたようだ。
どうにか王の心を鎮め、王妃の元へ案内されたランスロットは、今度は大歓迎で出迎えられた。
二人はたっぷりと語り合い、心を打ち明け合う。以前、再会したグィネヴィアの態度が冷たかった理由も分かった。彼女は、ランスロットが荷車に乗る時に僅かに躊躇したことを知って、拗ねていたのだ。えー?ランスロットは、愛しい王妃のためだというのに荷車に乗る程度の恥辱を少しでも厭うたことを心から悔い、許しを得る。
密会の約束をして別れた二人。夜になると、幸福に酔い痴れるランスロットは王妃の寝室に忍び入った。来る途中に邪魔な鉄格子を素手でひん曲げたせいで傷を負ったことも気が付かず、愛しい人と熱い夜を過ごす。
翌朝、ランスロットがシーツに残した血の汚れを、目敏くメレアガンが見咎めた。王妃の貞操を脅かす輩を見張る目的で近くで寝ていたアーサー王の家令クー(ケイ)――王妃が攫われる際にメレアガンと戦って敗北し、怪我をしていた――の傷口が開いてシーツを汚しているのを見て取るや、メレアガンはグィネヴィアを嘲笑い、家令と不貞をしたと決めつける。ケイ卿にはとんだとばっちりである。
こうして、不貞の告発者メレアガンと、王妃とケイの潔白を訴えるそりゃあなランスロットによる二度目の決闘が始まり、またしてもボードマギュの願いを受けたグィネヴィアによって水入りとなる。1年後に決闘すると決めたんだから、そこで全ての決着をつけよう、ということになった。
メレアガンは、卑怯な手を使ってランスロットを人知れず監禁する。いなくなったランスロットが決闘の日までに死ぬか姿を現さなければ、代わりにゴーヴァン(ガウェイン)と戦うと約束を取りつけて、ほくそ笑む。ガウェインになら楽勝と思っている辺り、やはりこの男、浅はかである。
しかし、例によって例の如くボードマギュ王の王女の一人、つまりメレアガンの姉妹が、苦心して監禁されたランスロットを見つけ出し、救出する。ランスロットは以前「憎い騎士の首が欲しい」という彼女の頼みを聞いたことがあり、王女はその恩返しに来てくれたのだ。
アーサー王の御前で行われた三度目の決闘で遂にメレアガンの首を刎ねたランスロットは、こうして王妃の名誉を守ったのであった。
人前で愛しの騎士に駆け寄って抱きつくようなはしたない振る舞いは決してしない高貴なる王妃。だが、彼女の心は誰よりもランスロットの傍にあった。
この物語のランスロットという男は、王妃が「騎馬試合でできるだけ不様に戦いなさい」と言ったら、疑問にも思わず戦い下手な臆病者を演じて大恥をかくし、「できるだけ立派に戦いなさい」と言ったら、その実力を出し惜しみせず華々しい見世物として振る舞う。姫君たちがランスロットに見惚れ、しかしあれほどの騎士を夫に望むなんて余りに身の程知らずだと嘆いているのを聞くと、グィネヴィアは大満足。「その皆様が憧れてやまない騎士、私の言うことなら何でも聞くのよ」とばかり、心の中でマウント取って後方腕組み。
お分かりの通り、このお話のグィネヴィアという人は、実にいい性格をしている。
いや、普段は綺麗で上品で礼節を弁えた完璧な貴婦人なんすよ、彼女は。アーサー王にも、「ケイがいきなりお暇を頂きたいと言い出したんだけど、お話して引き止めて来てくれる?其方の願いなら聞くと思うから」などと頼りにされているところを読む限り、政治のソフトパワー面と言うか内助の功的に優秀な妃なんだろうな、とも窺える。それが、ランスロットに対してだけ、少女漫画のヒロインの面倒くさくて性格悪いとこ集めたみたいな、我が儘、身勝手、私が一番、察してちゃんを発揮する。
こんな女のどこがいいのか知らないが、ランスロットはグィネヴィアの事が大好き過ぎて、その愛は崇拝の域に達している。
旅の途中でグィネヴィアの櫛を拾った時には、そこに残されていた髪を手に入れた喜びで忘我の境地に至るような男である。王妃のブロンドの髪に触れ、口付け、顔の至る所に押し当て、下着の中やら心臓の近くやらに髪を仕舞い込む。
『髪の中に彼の喜びがあり、髪の中で心豊かになるのを感じた』、『彼は髪が潰瘍やその他の病いから身を守ってくれると考えたのである。仙薬、腹膜炎のための薬用酒、解熱用舐剤は言うに及ばず、聖マルタン上人や聖ヤコブ上人へのお祈りも、これあれば無用と考えた。それほどに彼はこの髪の霊験に信をおいていて、この聖者の助けなど必要と思わなかったのである』〔参7〕p35より引用。やっべぇな、こいつ。
この最強最高不屈の美丈夫は、暴力でどうにかなることは大抵何でもできてしまうので、達成困難な試練に挑ませてくれる王妃の無茶振りが嬉しくて堪らないのかもしれない。知らんけど。
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グィネヴィアはアーサー王の王国にとって無くてはならない存在なれど、その影響力に反して、彼女自身が直接彼女の運命に対して、できることは少ない。
13世紀の散文集" Lancelot-Graal(ランスロ聖杯) "でも、誘拐された時、騎士ガエリス・ド・カラユーを毒殺したという容疑をかけられた時、ランスロットとの不倫発覚によって火刑に処されそうになった時、彼女は震えて助けを求めることしかできない。アルテュス(アーサー)は立場上彼女の肩を持つことはできず、助けてくれるのはいつもランスロットである。
そしてグィネヴィアを何よりも優先する騎士の行動が、円卓の絆と王国崩壊の一因となってしまう。ランスロットはアーサー王を心から敬愛し、戦友たちを大切に思い、反逆など露ほども望んでいなかったが、グィネヴィアという女性を求めるということは、そういうことなのだ。
ローマ教皇の命を受けた司教の介入により、グィネヴィアが王の元に礼を尽くして返還された後も、アーサー王側、ランスロット側双方に流した血が多過ぎて、戦いは止められない。取り分け、王妃救出の際に可愛い弟※註3ガエリエを殺されたガウェインの怒りは凄まじい。
そして、最も優れた騎士ランスロットが離反し、王が戦に出ているこの隙を狙って、留守居のモルドレ(モードレッド)が反乱を起こした。アーサーの死を吹聴し、遺言を捏造して、ログル王国の王位を簒奪し、王妃グィネヴィアを我がものにせんとする。
(この物語では)アーサーの実の息子たる騎士とその一味の要求を聞き、悍ましさに震え上がったグィネヴィアは、密かに防備を整え、ロンドン塔に閉じ篭った。そして、我が夫たる王が生きていれば王へ、もしも裏切者の言うことが本当でアーサーが亡くなっていれば、ランスロットへ助けを求めるよう、使者を遣わす。
アーサー王が戻って来ると知らせを受けた彼女は、「王は私がモードレッドに身を任せていないとは信じてくれないだろう。どちらが勝とうと殺されてしまうのではないか」と恐れ、女子修道院に逃げ込む。王の死後は俗世を捨て、神に祈って生涯を終えた。
セシルさんは、「彼女なくして王はなく、彼女なくして王国はない」と言う。
彼女に、アイルランドやウェールズの民話によく登場する「※註4主権の女神(Sovereignty goddess)」の性質を見出す人もいる。
グィネヴィアという人は、様々な物語の中で、王権を欲する者や彼女の美しさ気高さに惹かれた者に、奪われたり攫われたりする。また、" Perceval
ou le Conte du Graal(ペルスヴァルまたはグラアルの物語) "では、アーサー王の治める土地は全て我が物だと言い張る「カンクロワの森の真紅の騎士」に頭から酒をぶちまけられる。王妃に対する侮辱が王権への挑戦となる、という構図だろうか。
※人名等固有名詞は、「ヴィヴィアーヌ(ヴィヴィアン)」のように原文カナ読みの隣に日本で馴染みのある表記(概ね英語風)を並べ、二度目以降の登場は後者に統一しています。
※註1 グラストンベリーを暗示してるっぽい。
※註2 15世紀のトマス・マロリー(Thomas Malory)さん作"le morte Darthur/Le Morte d'Arthur(アーサー王の死)"の邦訳『アーサー王物語』シリーズ(筑摩書房)では、「バグデマグス王の息子メリアガーント」。彼に関しては英語名よりも仏語名の「ボードマギュ王の息子メレアガン」の方が有名。
※註3 英語名はガヘリス。立ち位置的にはガレス。
※註4 地母神、あるいは擬人化した土地とみなされる女性。王はこの女性との性交や婚姻によって土地の支配権を得ることとなる。例えば"Pedair
Cainc y Mabinogi(マビノギの四つの枝)"に登場するフリアノン(Rhiannon)。
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美しく高貴で、夫を愛し、それ以上にランスロットに恋して、しかし自ら運命を動かす力はなく、愛する者たちを破滅に追い遣ってしまう王妃。現代人の感覚からすると、彼女は決して馬鹿ではないが、軽率で傍迷惑で、はっきり言えば嫌な女かもしれない。
セシルさんは、そんなグィネヴィアが「もしもエクスカリバーを手にしたら」と憧れる気持ちを歌った。
グィネヴィアだって、周囲に翻弄され、心ならずも翻弄し、助けを待つばかりのお姫様でいたくないと思うことがあったかもしれない。" Lancelot-Graal(ランスロ聖杯) "の彼女は、モードレッドを出し抜き、最後には自らの運命を選び取って見せたのだ。
" Dans l'eau trouble des contraires Entre l'ombre et la lumière(闇と光の間の、対立で濁った水の中で)
"の歌詞は、Dans Les Yeux De Ma Belle(Lancelot)の" Entre les deux Quand
l'ombre et la lumière s'entredéchirent(二つの間で、闇と光が互いを引き裂く時) "と対を成しているみたい。
ランスロットの歌が苦悩と悲しみを歌うのに対して、グィネヴィアの歌は夢と憧れを歌っている。どこか無邪気で明るい歌である。
CDブックはいいぞ。セシルさんご本人による挿絵がすごく美しいぞ。こちらの公式ホームページ通販で買えるぞ。
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参考・引用資料
1.『ロワイヤル仏和中辞典 第2版』(旺文社 2005)
2.『アーサー王神話大事典』(原書房 2018)
3.『ブリタニア列王史』(筑摩書房 2025)
4.『フランス中世文学名作選』(白水社 2013)
5."Celtic Literature Collective"内"The Life of Gildas by
Caradoc of Llancarfan" https://www.maryjones.us/ctexts/gildas06.html
6."Vita Sancti Gildae (Caradog of Llancarfan) edited by Paul Russell" https://saints.wales/wp-content/uploads/2023/05/VSGildae.pdf
7.『フランス中世文学集2 愛と剣と』(白水社 1993 第3刷)
8.『フランス中世文学集4 奇蹟と愛と』(白水社 1996)
ネイティブのフランス語にボロ耳の日本人が無理矢理カタカナ読みを当てつつ訳したらこうなった。
訳にセンスがないのも、カナが発音とかけ離れてるのも仕様です(が、明らかな誤訳があれば指摘プリーズ)。
そしてこれ書いてる人のアーサー王伝説関連知識は付け焼き刃のにわかです。
このページはあくまでCDブックや配信サービスの" Graal "買った人向け、仏語ド素人によるメモ書きであって、
著作権侵害の意図はありません。が、怒られたらすぐ消します。