Deireadh An Tuath アイルランド(・ゲール)語メモ
Enya 『The Celts』より
ハロウィン曲。と言うよりは魔法の曲。
ケルトの魔法の根幹をなすのは「死」であるとかなんとか。
メロディーはウェールズ語曲Dan Y Dŵrと同じです。
※単語ごとにカナ読みを当てていますが、あくまで目安程度のものです。ぶっちゃけ、カナ読みなんぞ土台無理です。
辞書等を参考に発音記号っぽいものも書いてみましたが、これも目安程度のものです。分からないところも適当に書いていたりします。分からないところも適当に書いていたりします!
※「日本盤歌詞カードでは~」と書いてある部分に関しては、必ずしも「ここ誤植な」という意味ではありません。単に「方言形なんで辞書等で調べられる語形と違うよ」の場合もあります。しかしながら、歌詞カードがあんまり信用できないのも事実であり・・「誤植かもしれんし方言かもしれんけど、ド素人には判別できんわ」だと思って下さい。
・deireadh(ヂェルァ/d'er'ə)・・「終わり、終結、満了」。男性名詞単数形。方言によって(ヂェリュー[d'er'u:])、(ヂェリュ[d'er'u])みたいに発音する。
・an(アン/ən)・・単数定冠詞。子音に挟まれるとnを発音しない。
《deireadh an》(ヂェルァア/d'er'əə)
・tuath(トゥーア/tu:ə)・・「人々、部族、故郷、田舎」。女性名詞単数形。
『部族の終焉』
・sí(スィー/si:)・・「彼女(それ)は~である」。コピュラの現在肯定形is(ィス[əs]/~だ、~である)+三人称単数女性の人称代名詞離接形í(イー[i:]/彼女、それ)。コピュラが代名詞を伴う時は、離接形か対称形になる。
※日本盤『ケルツ』の歌詞カードでは"Si"。
・an(アン/ən)・・単数定冠詞。女性名詞につく場合、語頭子音を軟音化する。
・ghealach(イャラハ/ɣ'əlah)・・「月」。女性名詞単数形gealach(ギャラハ[g'əlah]/月、月光)の語頭が軟音化。方言によって(ギャロハ[g'alɑx])、(ギャラーハ[g'ala:x])みたいに発音する。
《an ghealach(アニャラハ)》
・mall(マウル/mɑul)・・「遅い、ゆっくり」。形容詞。方言によって(モール[mɑ:l])、(マル[mal])みたいに発音する。
・san(サン/sən)・・「~の中に」。前置詞i(イ[ə]/~の中に)+単数定冠詞an(アン[ən])。母音の前につく時の形。
・oíche(イー/i:)・・「夜」。女性名詞単数形。イーヒャ[i:x'ə]、イーハ[i:hə]みたいにも発音する。
※日本盤『ケルツ』の歌詞カードでは"oiche"。
《san oíche(サニー)》
↑になるはずだけど、oícheがほぼ聞こえない。
『それは 夜更けの月』
・sí(スィー/si:)・・「彼女(それ)は~である」。コピュラの現在肯定形is(ィス[əs]/~だ、~である)+三人称単数女性の人称代名詞離接形í(イー[i:]/彼女、それ)。コピュラが代名詞を伴う時は、離接形か対称形になる。
・an(アン/ən)・・単数定冠詞。女性名詞につく場合、語頭子音を軟音化する。
・ghrian(イリァン/ɣ'r'iən)・・「太陽」。女性名詞単数形grian(グリァン[g'r'iən]/太陽、鑑)の語頭が軟音化。方言によって(グリーァン[g'r'i:ən])みたいに発音する。
《an ghrian(アニリァン)》
・fan(ファン/fan)・・「留まれ、待て、残れ」。自・他動詞の二人称単数命令形。fán(ファーン[fa:n]、フェーン[fæ:n]、フォーン[fɑ:n])だと男性名詞。意味は「はぐれもの、放浪、流浪」。
・liom(リァム/l'əm)・・「私と共に」。前置詞le(ルェ[l'ə]/~と共に)の前置代名詞一人称単数形。方言によって(リォム[l'om])、(リュム[l'um])みたいに発音する。
・go(ゴァ/gə)・・「~まで」。前置詞。
・deo(ジョー/d'o:)・・goとセットでしか使われない単語。"go deo"で、副詞のような形容詞のような慣用表現。「永遠に、(否定文で)決して」。
『それは太陽 私と共に永遠に留まり給え』
Hoireann is o hi, O ho, ro ho.
・sí(スィー/si:)・・「彼女(それ)は~である」。コピュラの現在肯定形is(ィス[əs]/~だ、~である)+三人称単数女性の人称代名詞離接形í(イー[i:]/彼女、それ)。コピュラが代名詞を伴う時は、離接形か対称形になる。
・na(ナ/nə)・・女性単数属格定冠詞。
・Samhna(サウナ/saunə)・・「サウィン(ハロウィン)の」。女性名詞Samhain(サウン[saun']、[səun']、サゥウィン[sauwən']/11月、11月の初め、万聖節、サウィン、ハロウィン)の単数属格。
・tús(トゥース/tu:s)・・「始まり」。男性名詞単数形。
※日本盤『ケルツ』の歌詞カードでは"tus"。
・na(ナ/nə)・・女性単数属格定冠詞。
・bliain(ブリャン/b'l'iən')・・「年、一年の」。女性名詞(単数形)。方言によって(ブリーェン[b'l'i:ən'])みたいに発音する。標準綴りだと単数属格はbliana(ブリァナ[b'l'iənə])。
※日本盤『ケルツ』の歌詞カードでは"biain"。
・úr(ウール/u:r)・・「新鮮な、新しい、自由な、湿った」。形容詞単数形。なんでここna Bliana Úireじゃないんだろう。
※日本盤『ケルツ』の歌詞カードでは"Ur"。
《bliain úr(ブリャヌール)》
『それはサウィンの 新たな年の始まり』
・sí(スィー/si:)・・「彼女(それ)は~である」。コピュラの現在肯定形is(ィス[əs]/~だ、~である)+三人称単数女性の人称代名詞離接形í(イー[i:]/彼女、それ)。コピュラが代名詞を伴う時は、離接形か対称形になる。待って。何でsé(シェー[s'e:]/彼は~である)じゃないの?ドニゴールではcrannって女性名詞なの?
・an(アン/ən)・・単数定冠詞。
・crann(クラン/kran)・・「木、棒、梁、幹、木材」。男性名詞単数形。方言によって(クローン[krɑ:n])、(クラゥン[kraun])みたいに発音する。
※日本盤『ケルツ』の歌詞カードでは"chrann"。普通は軟音化しない。単数属格なら軟音化するけど、その場合はan chrainnになる。
・marbh(マールー/ma:ru:)・・「死んだ、かじかんだ、感覚のない、不活性な、枯渇した」。形容詞。男性単数形。方言によって(マルォフ[mɑrəv])、(マルー[maru:])みたいに発音する。
・deireadh(ヂェルァ/d'er'ə)・・「終わり、終結、満了」。男性名詞単数形。方言によって(ヂェリュー[d'er'u:])、(ヂェリュ[d'er'u])みたいに発音する。
・an(アン/ən)・・単数定冠詞。子音に挟まれるとnを発音しない。
《deireadh an》(ヂェルァア/d'er'əə)
・tuath(トゥーア/tu:ə)・・「人々、部族、故郷、田舎」。女性名詞単数形。
『それは枯れた木 部族の終焉』
Hoireann is o hi, O ho, ro ho.
Hoireann is o hi, O ho, ro ho.
繰り返しの擬音はThe Celts参照。なんか発音がだいぶ違う気がするけど。
サウィン。それは一年の始まり。盛り行く半年の終わり。衰え行く半年の始まり。現世と常世が交わり、その境界があいまいになる日。アイルランドの11月1日(一日は夜から始まるので、10月31日の夜)は、日本で言うところのお盆のような正月のような祭日。
キリスト教的にはハロウィン(万聖節前夜)であります。
毎度ながら、歌詞カードの訳がどうしてそうなるのか分からないでござる。
ネイティブの歌うアイルランド・ゲール語(ドニゴール方言)に、
ボロ耳ド素人の日本人が発音記号やらカタカナ読みやらを当てたらこうなった。
ドニゴール、グウィードア方言ってどこで習えますかね?
このページはあくまでアルバム"The Celts"その他この曲買った人向け、
参考にならない辞書もどきであって、
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