Moya Brennan様について

 1952年、ダブリン生まれ。お育ちはアイルランド共和国の北西、未だケルトの言語と文化が息衝くドニゴール州グウィードア。地元で有名な音楽一家ブレナン家9人きょうだいの長女。フォークシンガーでソングライターでアイリッシュ・ハープ奏者。よく知らないけど慈善家でもいらっしゃるとの事。霧の向こうから響いて来て大地を揺さぶるような、幻想的なのに力強い歌声の持ち主。
 
 ご実家はゲールタハト(日常的にアイルランド語が使われる地域)で、英語の他にアイルランド語でも歌を作る。アーティストとしてはMáire Brennan、最近ではMoya Brennanとして通っているが、本名を正確に綴るとMáire Philomena Ní Bhraonáin(モイア・フィロメナ・ニ・ブレナン)。・・洗礼名しか読めません。日本語ではモイア・ブレナン、あるいはモイヤ・ブレナンと表記される。最近の主流はモイヤみたい。
 
 1969年、弟のキアラン(Ciarán Ó Braonáin)、ポール(Pól Ó Braonáin 後に脱退)、叔父のノエル(Noel Ó Dúgáin)及びポーリック・ドゥガン(Pádraig Ó Dúgáin)と共にClannad(日本のゲームじゃないよ)を結成。主にボーカルとして、フォーク、フォークロック、ニューエイジなどの音楽を幅広く制作。ちなみにブレナン家の三女であり日本でも有名なEnya(Eithne Patricia Ní Bhraonáin エンヤ・パトリシア・ニ・ブレナン)も一時グループに在籍していた。妹さんの本名も読めません。どこまでも透き通った、まるで夢に誘うようなウィスパー・ボイスは、姉妹でよく似ている。
 
 92年より、ソロ活動を始める。エスニック・ポップ、アイリッシュ・フォークソング、クリスチャン・ミュージックなど、ジャンルに囚われない音楽を制作するが、彼女の作る音楽はどんな形態であれ、常にアイルランド人としての誇り、故郷や家族への愛を根底に感じる。辺境の言語アイルランド語の歌が世界に通用すると証明し、ケルティック・ミュージック≒アイリッシュ・ミュージックというイメージを定着させたのは、おそらくClannadの功績。
 
 ソロ・アルバムを制作するだけでなく、ライブ活動も盛んに行なっている。映画『タイタニック』の挿入歌(海に落ちたローズが歌を口ずさんだりするシーンで流れる)、映画『キング・アーサー』の主題歌、日本製ゲーム『The Book of Watermarks』のテーマなども歌唱。同じグウィードア出身のAoife(メタルギアソリッドのエンディングを歌った人。Aoife Ní Fhearraighと書いてイーファ・ニ・アーリ。読めぬ)をプロデュースしたりもした。2000年には自伝も出版。
 
 英語版ウィキペディア曰く、「ケルト音楽のファースト・レディ」。まさにそんな感じ。


ソロ・アルバム紹介

1992 "Maire"
 
1994 "Misty Eyed Adventures"
 
1998 "Perfect Time"
 
1999 "Whisper to the Wild Water"
 
2003 "Two Horizons"
 
2005 "An Irish Christmas"
 
2006 "Signature"

 確か、"An Irish Christmas"以外は対訳付日本版も出てる。"Whisper to the Wild Water"以降の作品なら、たぶん今でも簡単に手に入るハズ。
 
 管理人一番のお気に入りは、 "Two Horizons"。物語仕立てのコンセプト・アルバムで、テーマは「聖なるハープを探す旅」。
 
 宗教臭いのは断固拒絶という人でなければ、ケルト独自のキリスト教をテーマにした"Perfect Time"、"Whisper to the Wild Water"もおすすめ。"An Irish Christmas"は、からっと明るいクリスマス・ソングではないけれど、荘厳な賛美歌は聞き惚れる。
 
 モイヤさんご本人の人生を辿るコンセプト・アルバム"Signature"もいい。