風と羅針盤 ドイツ語メモ またしても志方さんオタクによる辞書もどき |
ドイツ語・・力強く男くさく迫力のある西ゲルマン語。ちなみに英語の親戚。
古高ドイツ語だのアングロサクソン語だのと(言語学者に)呼ばれてる時代はよく似てたけど、
色々と複雑な進化を遂げて(特に英語の方が)全く違う言語になりました。
とは言え、今でも基本的な文法と俗っぽい語彙は結構似てます。
どんなにラテンの影響受けてもやっぱゲルマンだ。正確な発音?無理だ!
『Harmonia』の 「風と羅針盤」で歌われているドイツ語は、日本語部分の歌詞と同様、堅苦しくない口語的な感じみたいです。
志方さんのイタリア語は色っぽくて素敵ですが、ドイツ語もかっこいいですよね。
・mag(マーク)・・「(私は)たとえ〜でも」。助動詞mögenの一人称単数形。(だいたいは)文末につく動詞の不定形(不定詞)と結びついて意味を作る。
・die(ディ)・・「〜が」。女性名詞単数形の1格(主格)、もしくは4格(直接目的格)を指示する定冠詞。この場合1格。
・Winternacht(ヴィンターナハト)・・「冬の夜」。男性名詞winter(冬)と女性名詞nacht(夜)の合体。単純にくっついただけ。ゲルマン語のこういうとこは大好きだ。
・mich(ミヒ)・・「私を」。人称代名詞一人称単数4格(直接目的格)。
・frieren(フリーレン)・・「寒がる、凍える」。不定詞。
『たとえ冬の夜が(私を)凍え(させ)ても』
・mag(マーク)・・「(私は)たとえ〜でも」。助動詞mögenの一人称単数形。動詞の不定形(不定詞)と結びついて意味を作る。
・die(ディ)・・「〜が」。ここも女性名詞単数形の1格(主格)を指示する定冠詞。
・sommerhitze(ゾンマーヒッツェ)・・「夏の暑さ」。男性名詞sommer(夏)と女性名詞hitze(暑さ、熱)の合体。
・glühn(グリューン)・・「(火を出さずに)燃える」。不定詞glühen(赤く燃える)だと思う。ゲーテの詩の中にも"e"が抜けたこの形があるけど、詩形、もしくは口語的表現か?
『たとえ夏の暑気が照りつけても』
・mag(マーク)・・「(私は)たとえ〜でも」。助動詞mögenの一人称単数形。動詞の不定形(不定詞)と結びついて意味を作る。
・es(エス)・・「(それ)は」。三人称単数中性1格(もしくは4格)を指す代名詞。ここでは英語"It's fine today!"の"it"のように、形式的な主語として使われている。
・heftig(ヘフティヒ)・・「激しく」。形容詞heftig(激しい)の原形。
・um(ウム)・・「〜の周りを」。4格(直接目的格)の名詞や代名詞につく前置詞。"um
mich"で「私の周りを」。
・mich(ミヒ)・・「私を」。人称代名詞一人称単数4格。
・stürmen(シュテュルメン)・・「嵐が吹き荒れる」。不定詞。
『たとえ私の周りを激しく嵐が吹き荒れても』
・und(ウント)・・"and"。接続詞。
・ich(イヒ)・・「私が」。人称代名詞一人称単数1格(主格)。
・mit(ミット)・・「〜といっしょに」。3格(間接目的格)につく前置詞。
・Dreck(ドレック)・・「泥、汚れ」の口語的表現。頭のDは常に大文字。冠詞ないけどmitがついてるから3格。
・besudelt(ベズーデルト)・・他動詞besudeln(汚す)の過去分詞。seinと結びついて「汚れている」。
・sein(ザイン)・・不定詞。英語のbe動詞に当たる助動詞。ここでは他動詞の過去分詞と結びついて状態受動を作っている。ここにも前文のmagがかかっているので、文末についていて、尚且つichに合わせて人称変化していない(binになっていない)。
・na(ナ)・・間投詞。
・und(ウント)・・"and"。Na und?で「へえ、それで?(それがどうした?)」。
『そして、(私が)泥まみれに汚れても、それがなんだ』
・wenn(ヴェン)・・「〜の時はいつでも」。接続詞。"when"もしくは"if"の意味を持つ。 ・ich(イヒ)・・「私が」。人称代名詞一人称単数1格(主格)。 ・stolpere(シュトルパーレ)・・stolpern(つまづく)の一人称単数現在形。 ・steh(シュテー)・・stehen(立っている)の一人称単数現在形steheから口語的にeが落ちた形。 ・ich(イヒ)・・「私が」。人称代名詞一人称単数1格(主格)。 ・auh(アオフ)・・"on"、"up"。Steh ich auf.で"I get(stand) up." 『(私が)つまづいたらいつだって、立ち上がってやる』 ・werd(ヴェーアド)・・「〜だろう」。自動詞として"become"、助動詞として"will"とか"shall"の意味を持つwerdenの一人称単数現在形werdeから口語的にeが落ちた形だと思う。ここでは助動詞。過去分詞と一緒に受動態を作ってる・・んだよな? ・ich(イヒ)・・「私が」。人称代名詞一人称単数1格(主格)。 ・verletzt(フェアレッツト)・・他動詞verletzen(怪我をさせる)の過去分詞。werdeと結びついて「怪我をさせられた」。 ・lauf(ラオフ)・・自動詞laufen(走る、行く、進行する)の一人称単数現在形laufeから口語的にeが落ちた形・・じゃないかな。davonlaufenで「そこから逃げ去る」。 ・ich(イヒ)・・「私が」。人称代名詞一人称単数1格。 ・nicht(ニヒト)・・"not"。否定の副詞。 ・davon(ダフォン)・・「そこから」。副詞da(そこに)と前置詞vonの結合形。 『(私が)傷つけられても、そこから逃げない』 ・die(ディ)・・ここでは女性名詞単数形の1格(主格)を指示する定冠詞。 ・Antwort(アントヴォルト)・・「答え」。女性名詞。頭のAは常に大文字。 ・liegt(リート)・・「(それが)ある」。liegen(横になっている、位置している)の三人称単数(あるいは二人称複数)現在形。 ・noch(ノホ)・・「まだ」。副詞。 ・fern(フェルン)・・「遠く離れた」。形容詞の原型。 『答えはまだ遠く離れたところにある』 ・drum(ドルム)・・「それを求めて」。darum{副詞da(そこに)と前置詞um(〜の周りを)の結合形}の口語体。 ・schau(シャオ)・・「目を向けろ!」。schauen(目を向ける、眺める)の語幹。この場合はich(自分で自分)に対する命令形?もしかしてまたeが落ちてるのか? ・ich(イヒ)・・「私が」。人称代名詞一人称単数1格(主格)。 ・umbeirrt(ウン・ベイルト)・・「惑わされない」。形容詞の原型。 ・nach(ナーハ)・・「〜へ向かって」。3格(間接目的格)の名詞や代名詞につく前置詞。 ・vorn(フォルン)・・「前に」。副詞。 『それを求め、惑わされず、前に目を向けよう』 ・ums(ウムス)・・前置詞um(〜の周りを)とdas(中性名詞単数形1格もしくは4格を指示する定冠詞)の結合形。この場合1格(主格)。 ・wunde(ヴンデ)・・「擦りむけた」。形容詞wund(擦りむけた)の中性1格(主格)もしくは4格(直接目的格)弱変化。この場合1格。 ・Helz(ヘルツ)・・「心」。中性名詞。頭のHは常に大文字。ums wundeの指示により、1格。 ・die(ディ)・・女性名詞単数形の1格、もしくは4格を指示する定冠詞。この場合4格。 ・frische(フリッシェ)・・「新鮮な」。形容詞frisch(新鮮な)の女性4格(もしくは1格)弱変化。 ・Brise(ブリーゼ)・・「そよ風が」。女性名詞。主に潮風を指す。頭のBは常に大文字。die frischeの指示により4格。 『擦りむけた心に新鮮なそよ風が(吹く)』 |
※枠内の単語が使われている歌詞はバックコーラス?すごく聴き取り難いです。
・sind(ズィント)・・"are"英語のbe動詞に当たる助動詞seinの、この場合は三人称複数現在形。過去分詞と一緒に完了形とか状態受動とかを作ったりもする。この場合はどっちだ?
・die(ディ)・・ここでは、名詞の複数形(全ての性につく)の1格(主格)、もしくは4格(直接目的格)を指示する定冠詞。
・vielen(フィーレン)・・「たくさんの」。形容詞viel(多くの)の複数4格(もしくは1格)弱変化。
・Wege(ヴェーゲ)・・「道を」。男性名詞Weg(道)の複数形。頭のWは常に大文字。
・erst(エーアスト)・・「やっと」。"first"数詞として「第1の」、副詞として「最初に、ようやく、ほんの」。
・genommen(ゲノンメン)・・他動詞nehmen"take"の過去分詞。sindと結びついて、この場合は「越えられる」。
『たくさんの道をやっと乗り越えたら』
・werd(ヴェーアド)・・助動詞werdenの一人称単数現在形werdeから口語的にeが落ちた形だと思う。不定詞(zu不定句を除く)と結びついて未来形を作ったりもする。ここのzuはdirにかかってるので無関係。
・ich(イヒ)・・「私が」。人称代名詞一人称単数1格(主格)。
・zu(ツー)・・「〜へ」。3格(間接目的格)の名詞や代名詞につく前置詞。
・dir(ディーア)・・「君に」。人称代名詞二人称単数3格。
・gelangen(ゲランゲン)・・「到達する」。不定詞。werdeと結びついて「到達するだろう」。
『君の元に辿り着くから』
・warte(ヴァルテ)・・「(君が)待って!」。"Wait!"自動詞warten(待つ)のdu(君)に対する命令形。
・lächelnd(レッヒェルント)・・「微笑みながら」。自動詞lächeln(微笑む)の現在分詞。
・noch(ノホ)・・「まだ」。副詞。
・auh(アオフ)・・"on"、"up"の意味を持つ前置詞。3格(間接目的格)について場所を表すか、4格(直接目的格)について方向を表す。
・mich(ミヒ)・・「私を」。人称代名詞一人称単数4格。
『もう少し、笑って私(が来るの)を待っていて』
・gleich(グライヒ)・・「すぐに」。副詞。
・bin(ビン)・・「(私が)いる」。"am"英語のbe動詞に当たる動詞seinの、一人称単数現在形。ここでは普通に存在の意味。
・ich(イヒ)・・「私が」。人称代名詞一人称単数1格(主格)。
・da(ダー)・・「そこに」。副詞。
『すぐにそこにいる(行く)よ』
・nur(ヌーア)・・「ただ〜だけ」。"only"の意味を持つ副詞。
・immer(インマー)・・「いつも」。"always"の意味を持つ副詞。
・Wind(ヴィント)・・「風」。男性名詞。Wは常に大文字。
・und(ウント)・・「〜と」。"and"接続詞。
・Kompass(コンパス)・・「羅針盤」。男性名詞。Kは常に大文字。Kompaßとも綴る。
・nach(ナーハ)・・「〜に向かって」。3格(間接目的格)の名詞や代名詞につく前置詞。Wind
und Kompassは場所を示してる風に捉えろということらしい。
『ひたすら風と羅針盤(の導く場所)に向かって』
英語文法に苦しんだ中学生時代以来、ゲルマン語族の文脈理解するのってかなり苦手なんだけど、『トリスの市場』さんにあんまりぴったりな素材があったもんだから、使ってみたくてあえての犯行。かなり適当。
この文章書いてる人は素人です。↑こういうことなので、間違い多いかもしれません。
このページはあくまで『Harmonia』買った人向け、参考にならない辞書もどきであって、
著作権侵害の意図はこれっぽっちもありません。が、もし怒られたら消えます。
参考文献
『新アクセス独和辞典』(三修社 2004)
見出し語数56,300語。ちょこっと和独もついてる。ドイツ語を勉強する日本人なら、とりあえずこれ一冊あればいい、という辞書。ええと、文法書はどこ行ったか・・