Contrasto

Ottorino Respighi(1879〜1936):作曲
Carlo Zangarini(1874〜1943):作詞


Piange lenta la luna
Sue rugiade gemmanti:
Or lieto all'aria bruna
Sia l'oblio de li amanti;

Però che dolce è il riso
Tra il pianto de le cose!
Ben la luna compose
A mestizia il viso.

O amica, a quando a quando
Giova l'oblio: scordare
Le altrui doglianze amare,
Intorno andar cantando,

Mentre piange la luna.


 原曲はお馴染みオットリーノ・レスピーギさん作曲。作詞はカルロ・ザンガリーニさんで、この歌曲が作られたのは1906年のことらしい。
 タイトルはそのまま「コントラスト」。押韻構成はabab cddc effe a。四行詩のまとまりが3つと締めの一行。そんなに古くはないんだけど、語順がとっても詩的で意味が取り難い。

ンジェ ンタ ーナ
Piange lenta la luna
自動詞(原形:piangere) 形容詞 冠詞 名詞
(それは)泣く ゆったりと
月はゆっくりと(涙を)流す


スエ ジャーデ ジェンンティ
Sue rugiade gemmanti:
所有形容詞 名詞 形容詞
それ(彼女)らの 露、慰め(複) 宝石のように輝く
それらの輝く露を

gemmantiはgemmareの過去分詞gemmanteの複数形。
※「ある日の〜」でウザく語り倒した後、大きな辞書を調べてみたら、イタリア語にもgemmareって動詞があるらしい。現代語ではあまり使われないみたいだけど、意味は自動詞だと「芽吹く」、他動詞だと「宝石で飾る」。
(追記:最初"Sue"のところをkaradarさんとこの表記通り"Su"としてましたが、"Sue"が正しいようなので修正しました。)

ート アッーリア ーナ
Or lieto all'aria bruna
副詞 形容詞 縮約冠詞+名詞 形容詞
うれしい a l' aria 空気で 暗褐色の
今、暗い空気で喜ぶ

orはoraのトロンカメント。
lietoって・・性が違うからにはariaにかかってる訳じゃなく・・あ、次のoblioにかかるのか。

スィーア ロブーオ イル ンティ
Sia l'oblio de il amanti;
自動詞(原型:essere) 冠詞+名詞 前置詞 冠詞 名詞
(それは)〜である 忘却 〜の 愛人たち
恋人たちの忘却は

siaは接続詞(〜も)じゃないよな?essereの接続法現在単数形だよな?ええと・・いかん。訳し方が分からん。
de ilはdel(di il)の古形か詩形?男性名詞複数形につくからには、現代語ならdegli(di gli)のハズだけど・・
ええと・・「恋人たち」が二人一組の「カップル」で単数扱い?


ルチェ イル ーゾ
Però che dolce è il riso
接続詞 形容詞 動詞(原型:essere) 冠詞 名詞
〜のゆえに 優しい、甘い (それは)〜である 笑い
笑顔が甘美であるがゆえに

però cheの文語的意味とか・・こんなん、小さい辞書には載ってないよ・・

トラ イル ント ーゼ
Tra il pianto de le cose!
前置詞 冠詞 名詞 前置詞 冠詞 名詞
〜と〜の間に 〜の もの、こと(複)
事々の涙の間で

de leはdelle(di le)の古形か詩形?

ーナ コンーゼ
Ben la luna compose
副詞 冠詞 名詞 他動詞(原形:comporre)
とても (それは)〜を作った
月はとても 〜になった

beneがトロンカメント。
comporreは色んな意味があるけど、この場合は「表情を作る」かな?
・・遠過去時制だと?

メスティッツィア イル ヴィーゾ
A mestizia il viso.
前置詞 名詞 冠詞 名詞
〜に 悲哀 その 顔、表情
その顔を悲しみに

いかん。なんのこっちゃ?


ーカ ンド ンド
O amica, a quando a quando
間投詞 名詞 前置詞 名詞 前置詞 名詞
おお (女性の)友達 〜の時に いつのことか 〜の時に いつのことか
おお、友よ。時々に

amicaはla lunaのこと?と思ったけど、普通に「(女の)友達」か。

ジョーヴァ ロブーオ スコルーレ
Giova l'oblio: scordare
自動詞(原形:giovare) 冠詞+名詞 他動詞(原形:scordare)
〜に有益である 忘却 忘れること
忘却は忘れることに有効である

すごく頭の悪い日本語だな、これ。

アルトーイ ドッリンツェ ーレ
Le altrui doglianze amare,
冠詞 形容詞 名詞 形容詞
他人の 嘆き、苦痛(複) 苦い、辛い
他人のつらい苦痛を

amareはこの場合「愛する」じゃない・・よな?前置詞とかないし。

インルノ アンール カンンド
Intorno andar cantando,
副詞 名詞 他動詞(原形:cantare)
辺りに 行くこと 歌いながら
歌いながら辺りに行くこと

andareがトロンカメント。動詞じゃないのか。"andare+ジェルンディオ"で「ずっと〜する、次第に〜する」。だと思ったけど、違うみたい。


ントレ ンジェ ーナ
Mentre piange la luna
接続詞 自動詞(原形:piangere) 冠詞 名詞
〜する間 (それは)泣く
月が泣く間


つーことで、意訳してみるか。

月はゆっくりと零す
宝石のように輝く涙の雫を
今 暗がりで恋人たちは
忘却の時を陽気に過ごしている

種々の涙の合間にも
笑いは甘美な慰めとなり
月はその面を
哀しみに曇らせている

友よ 時折に
忘却は
人の耐え難い悲嘆を忘れさせ
足取り軽く歌い歩ませるのだ

月が泣いている間に

 (2010.11.14:訂正)
 自分でも訳分からんと思いつつ変な訳を上げてましたが、大きな辞書も買ったことだし単語の繋ぎ方や捉え方を直してみると、ちょっと意味が分かってきたので、訳文その他訂正しました。「明るさと暗さ」、「涙と笑い」の対比でコントラストなんですね。これは難しいよ(ーー;)



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http://www.karadar.com/
Lieder⇒Respighi, Ottorino (1879-1936)
歌詞は↑のサイト様より。