祈り モンラム チベット語メモ

 志方さ〜ん・・ヒュムノスより読めんよこれ!文字小っさ!

 キリスト教とそれを基盤とする欧州文化の変遷を学ぶなら、齧っとくべきは古典ギリシア語やラテン語(旧約原文重視ならヘブライ語とアラム語も)辺りですが、仏教とその伝播の歴史を学ぶには、サンスクリット語やらパーリ語やら文語チベット語やらの教養が要りますよね〜たぶん。きっと。門外漢が適当言ってますが。
 仏壇拝んでお寺の檀家に入ってるんだから、私一応仏教徒の端くれだよなぁ。学生時代、歴史遺産学に足突っ込んで、京都奈良の寺社仏閣あちこちフィールドワークしてたなんて、恥ずかしくて言えない。もはや観光案内もできんし・・とか脱線は措いといて、


 チベット語良いですよね。語順は日本語に近いし、高度で複雑な敬語体系もあるし、なんとなく親近感。全然分からんけど。
 西蔵文字よ・・おまえらはレゴブロックか!合体ロボか!子音が横に並んだり積み重なったり、母音記号がアホ毛や尻尾みたいにくるんとついたり、綴り字をローマ字転写すると余計に読み方が分からなくなるというツンっぷりも含め、萌え要素満載です。とりあえず日本語の資料がなさ過ぎて、龍谷大学の図書館に突貫したい今日この頃。

 翻訳は捗らんし、文字入力して画像にして貼っつけるのもめんどいし、完成する気配なし。WindowsならVista以降は普通にチベット語入力表示できますが、まだまだ世間も私もXP主流なのはソフトの互換性の問題・・

モーン ラム
smon lam
mö;n lam
prayer
「祈り、祈祷祭」。名詞。
(一切衆生の救いを求める利他行的な「祈り」。
「Ave Maria」の"la prece"とは趣が違う感じ。)

※ 上記の事情に付、綴り字(ワイリー式)と発音(カワチェン式)、2種類のローマ字転写を併記しています。
※ チベット語には、中国語をご存知の方にはお馴染みの「声調」があります。
 最も代表的なラサ方言では、「北京語の第1声っぽい、高く平らに発音する高調」、「北京語の第4声っぽく、高いところから下がる高調」、「北京語の第2声を控えめにしたような(?)低いところから上がる低調」、「古典ギリシア語の曲アクセントっぽい(と私が勝手に思っている)低いところから上がって下がる低調」の4種類。この声調を正しく発声しないと、同じ音でも単語の意味が変わってしまったりするので注意が必要です。
 が・・書いてる人がよく分かっとらんカナで表現しようがないのでそこはスルーします!カタカナで「正しい発音」なんて誰も求めてませんよね!



ナム カー ネー
nam mkha' nas
nam k'a ne:`
heaven, sky, celestial vault / from
「天国(空)から」
nam mkha'は「空、天国」。名詞。
nasは「〜から」。従格助詞。

※助詞nasは、歌詞カードにないけど歌ってるように聴こえます。
意味としてもあった方が自然なので勝手に付け足しました。

ナム シャク ギューン テン
nam zhag rgyun gtan
nam shag gyü;n te;n
night/day/continually/always
「昼夜絶え間なく」
nam「夜」とzhag「昼」は名詞。
rgyunは名詞だと「絶え間ない流れ」、
副詞だと「絶えず、ずっと」。
gtanもこの場合副詞で「ずっと、永遠に」。

"nam zhag rgyun gtan"で「絶え間なくずっと」という成句。

ミク ツェー ナン タン
mig tses gnang dang
mig tse:` ña;ng t'a;ng
?look at?/give, do/(polite)
「?見守って下さいね?」
migは名詞なら「目」の尊敬語。
tsosは・・分からん。辞書になかった。
gnangは動詞(する、与える)の丁寧語。「なさる」とか「下さる」。
現在形の語根だけど、命令形なの?
dangは接続助詞。
勧奨を表したり、丁寧な命令形について親しみを表したりする。

(mig btsa/mig tsa)なら"look at〜"。
mig tsesってのは↑の異形か活用形?

『天国から、昼夜ずっと見守っていて下さいね』

ガ テ ヨー
nga der yod
「私はそこにいる」

↑コーラスで歌っているように聴こえます。

オム マ ニ ペーメー フム ※元はサンスクリット語で、観音菩薩の六字真言。
 (Om Mani Padma Hum)
 をチベット文字に転写したもの。
 nの逆字や母音記号゜など、梵語転写用特殊文字が使われています。
調べると、綴り方が様々あって、とも。
 歌詞カードでは
こういう綴り方もあるのか、逆字を表示できなかったのか。
 呪文なもんで、それはもう多様な意味があるみたいだけど、
詳しいことは仏教系のサイト様を当たって下さい。
om ma ni padme hum
om ma ni pe;`me hum
O thou jewel in the lotus, Hail!
「蓮華の宝珠よ幸いあれ」
↑は代表的な意味。チベット人がよく唱える真言。
「観音様、お聞き下さい」ぐらいのニュアンス?

お ん ・ ま ・ に ・ は ん ど ・ め い ・ う ん

ガ テ ヨー
nga der yod
nga t'er yö;`
I/there/ am
「私はそこにいる」
ngaは「私」。人称代名詞。助詞なし主格。
deは「そこ」。指示代名詞。
rは「〜に」。業格助詞。
yodは「いる、存在する」。存在動詞。

『私はそこにいます』

ナム ケー ウク
nam mkha'i dbugs
nam k;e wug
sky/of/breath (wind)
「天の息吹(風)は」
nam mkha'は「空」。名詞。
'i は「〜の」。属格助詞。
dbugsは「息、呼吸は」。名詞。助詞なし主格。

"nam mkha'i dbugs"で「風」。
助詞'iは発音せず、直前の子音を長音化または口蓋化する。
この場合は"k'a"が"k;e"に。


パン ラ
spang la
pa;ng la
grassland/at
「草原に」
spangは「草地、芝生」。名詞。
laは「〜において、〜に」。於格助詞。

『風は草原に』

ナム トゥー タン モ
nam dus grang mo
nam t'ü:` tr'a;ng mo
season/cold
「冷たい季節を」
nam dusは「季節を」。名詞。助詞なしで業格。
grang moは「寒い、冷たい」。形容詞。

チベット語の形容詞は名詞の後につく。

ロ プ トゥ キェル ヨー
glo bur du skyel yod
lo bur t'u kyel yö;`
suddenly carry
「突然、運んで来ます」
glo bur duは「急に、突然」。副詞。
skyelは「届ける、運ぶ」。動詞。現在形語幹。
yodは助動詞。「〜です」か。

『突然冷たい季節を運んで来ます』

※以下作成中※

ナム カー ト グー
nam mkha' gro rgyus
nam k'a tr'o gyü:`
sky/?gray?/wandered into
「灰色の空を彷徨った」
nam mkha'は「空を」。名詞。業格?
gro・・外来語で「グレーの」かな?
rgyusはrgyu ba(彷徨う)の過去形?

groで辞書に載ってる意味だと「小麦」。・・うん、絶対違う。
gro baで"reddish grey"、gro dkarで"light gray horse color"らしい。