『花帰葬』の挿入歌。「Routa della Fortune」の元ネタです。調べた限りではマイナーな劇中歌。大きくひと区切り訳そうとしたけど、長いし志方さんも花帰葬も関係ないしってことで、引用部分だけ切り取りました。
 ところでRouta della Fortuneって何だろう?
 Ruota della Fortuna(ルータ・デッラ・フォルトゥーナ:運命の輪)?そこはかとなく仏語のRoue de la Fortune(ルー・ドゥ・ラ・フォルテュンヌ)と綴りが混じっているような。最初誤植かと思ったけど、これも古形なのかな。

 

ELISA E CLAUDIO:SCENA [(部分)

Saverio Mercadante(1795-1870):作曲
Luigi Romanelli(1751-1839):作詞

Tu solo di costanza
Conforta almen quest'alma,
E riederà la calma
Al mio dolente cor.


"ELISA E CLAUDIO ossia L'AMORE PROTETTO DALL'AMICIZIA"
 『エリザとクラウディオ 即ち 友情によって守られた愛』

 1821年10月30日ミラノのスカラ座にて初演のオペラ。ジャンルはメロドラマ・セミセリア(半分シリアスで笑いの要素もあるメロドラマ?)。
 ジュゼッペ・サヴェリオ・ラファエレ・メルカダンテさんの作で、詩はルイージ・ロマネッリさんが書いたらしい。

SCENA [ Camera rustica:Elisa seduta presso i figli che dormono
 「シーン8 粗末な部屋:眠る子ども達に寄り添って座るエリザ」

あらすじ:
 エリザさんは、アルノルド伯爵の息子クラウディオ君の内縁の妻です。一年を共に過ごした夫との間には、二人の子ども達がいます。世間には独身で通しているクラウディオ君は、頭の固い父親の勧め通りにトリコタツィオ侯爵の娘と結婚し、周囲の目を欺いてこっそりエリザさんといちゃつこうと企んでいました。ところでその頃、クラウディオ君の婚約者で侯爵の娘シルビアさんは、クラウディオ君の旧友セルソ君と恋をしていますが、まあそれは措いといて。
 夫の婚約を知ったエリザさん。友人のシャルロッタさんの家で愛する子ども達の顔を見つめながら、神に向かって夫の不実を嘆きます。

 ・・という場面の台詞の一部です。


トゥ ーロ ディ コスンツァ
Tu solo di costanza
人称代名詞 副詞 前置詞 名詞
〜だけ 〜の 粘り強さ、意志の固さ
あなたが 堅実なだけの

tuは主語かな。

コンフォルタ アルーン ルマ
Conforta almen quest'alma,
他動詞(原形:confortare) 副詞 指示形容詞+名詞
(君が)力づけろ せめて この魂
この魂をせめて励まして下さい。

almenoがトロンカメント。
almaはanimaの詩形。
ちなみに志方さんの「Routa della Fortune」では"almen"の部分が"o ciel,ー・チェール)"になってるので、
「あなたがどうか堅実であるだけの〔それ〕を励まして下さい。(おお、天よ、)この魂を!」って感じ。

リエデ ルマ
E riederà la calma
接続詞 自動詞(原形:riedere) 冠詞 名詞
そして (それは)戻るだろう 落ち着き、平穏
そうすれば、平穏が戻って来るでしょう。

riederà・・動詞なら三人称単数未来形?と思いつつ、アモーレイタリア語辞書を検索。
riedere(戻る)?redireと同じ意味だよ〜と書いてるけど、手持ちの紙の辞書にはredireも載ってない。
フランス語にredireってあるけど、そっちの意味は「繰り返す」だし。
最近いよいよポケット版じゃない辞書が欲しくなって来た。

アル ミオ ンテ ール
Al mio dolente cor.
縮約冠詞 所有形容詞 形容詞 名詞
a il 〜に 私の 苦しんだ、痛んだ
悲痛な私の心に

古詩に頻繁に出てくるcuoreの詩形core。
トロンカメントしてます。


 これは別に意訳するまでもないか。

オペラのあらすじは、Harvard College Libraryさんの英語対訳を流し読みして書きました。
分からんところはさっぱりスルーしたので、いい加減だったり間違ってたりする可能性大です。
そんで著作権的にアウトなら消します。


背景素材をお借りしました

http://books.google.co.jp/books
:Eliza and Claudio, or: Love protected by friendship; a melodrama
詩は↑のサイト様より。