Istoria~Kalliope~ ギリシア語(ギリシャ語)メモ7.ヒュメン


 
 Hymen
Υμήν
 

※志方さんのδはやっぱり「ザ、ズィ、ズ、ゼ、ゾ」より「ダ、ディ、デュ、デ、ド」の方が近いよなぁ。公式でδのルビはダ行になってるもんなぁ・・と思いつつ、相変わらずザ行で読み仮名振ってます。気になる方は適当に置き換えてお読み下さい。
※動詞の相(アスペクト)は、「アオリスト相」とか「完了相」とか書いてない限り継続相、態(ヴォイス)は特に断りがない限り能動態です。
※ここでは、「古典語」=「だいたいコイネー、そのちょっと前後も含む」、「現代語」=「基本的にディモティキ」です。授業科目の「古文」と「現代文」ぐらいざっくり。

Ὑμήν(ヒューン)・・古典ギリシア語の男性固有名詞。
        ギリシア・ローマ神話における婚姻の神。Ὑμέναιος(ヒュナィオス)とも呼ばれる。
 頭を小文字にしてὁ ὑμέναιος(ホ ヒュナィオス)にすると「祝婚歌」。花婿の家まで花嫁を案内する付添人たちが歌う。紀元前5世紀ごろの作家、エウリピデスさんの『トロイアの女』とかアリストファネスさんの『平和』では、"Ὑμὴν ὦ Ὑμέναι᾽"(ヒュメーン ー ヒュナィ)「ヒュメンよ おお ヒュメナイオスよ!」みたいに歌う場面がある。ラテン語ではHymēn(ヒューン)またはHymenaeus(ヒュナェウス)。現代ギリシア語ではΥμήν(イン)またはΥμέναιος(イニオス)。

 『この地をあとにした「婚姻神(ヒュメナイオス)」は、サフラン色のマントに包まれて、はてしない大空を分ける。キコネス族が住むトラキアの国だ。オルペウスの婚姻に招かれていたのだが、この旅は、結局、みのらなかった。なるほど、行くには行ったのだが、祝いの歌をうたいもせずに、陰気な顔をしているばかりで、何ひとつめでたい兆(きざし)をもたらしはしなかったのだ。彼が手にしている松明も、始終ぶすぶすとくすぶって、涙を出させるばかりで、いくら振っても燃えあがらなかった。結末は、こんな前兆よりももっとひどいものだった。』
(『変身物語(下)中村善也訳』 岩波文庫 1984 P59より引用)。


πόσοソ)・・「何と~だろう」。間投詞。
βαθύ(ヴァスィ)・・「深い」。形容詞βαθύςヴァスィス(深い、奥深い、濃い)の中性単数主格形か対格形または男性単数対格形。
είναιーネ)・・「(それは)~である」。連辞動詞είμαιーメ(存在する、~だ:be動詞的なもの)の現在三人称単数もしくは複数形。ここでは単数現在形。
το(ト)・・中性名詞の単数主格か対格につく定冠詞。
ποτάμι(ポミ)・・「川、河が」。中性名詞単数主格または対格。
που(プ)・・「~するところの、that」。関係代名詞。
μας(マス)・・「私たちを」。一人称複数の人称代名詞弱形。対格か属格。ここでは対格。
χωρίζει(ホズィ)・・「(それは)分ける」。自・他動詞χωρίζωーゾ(分ける、別にする、切り離す、分かれている、別れる)の現在三人称単数形。

『私たちを隔てる川の、何と深いことだろう』

με(メ)・・「私を」。一人称単数の人称代名詞。対格弱形。
αποτρέπει(アポトピ)・・他動詞αποτρέπωアポト(よける、避ける、防止する)の現在三人称単数形。後ろにνα~と続けると、「(人が~するのを)思い留まらせる、制止する」。
να(ナ)・・動詞の接続法につく小辞。
εκφράσω(エクフーソ)・・他動詞εκφράζωエクフーゾ{(言葉や行動で)~を表現する、述べる、~を表す}の接続法アオリスト相一人称単数形。"αποτρέπει να εκφράσω"で「(私が)~を表すのを(それが)制止する」。
μόνοノ)・・「ただ~だけ、たった」。副詞。
έναナ)「ひとつの」。基数詞の1、または不定冠詞の中性(単数)主格か対格または男性(単数)対格。
αίσθημαススィマ)・・「気持ちを」。中性名詞単数主格または対格。ここでは対格。「感覚、センス、感情、愛情」などを意味する。

『(川は)私のただ一つの思いを伝えることを阻む』

η(イ)・・女性名詞の単数主格につく定冠詞。
γλώσσα(グサ)・・「舌が」。女性名詞単数主格または対格。ここでは主格。「舌、話す力、言葉」などを意味する。
δενン)・・「~ない」。否定の小辞。動詞の前について否定文を作る。
έχειヒ)・・「(それは)~持つ」。他動詞έχω(持つ、持っている)の現在三人称単数形。
δύναμηズィナミ)・・「力を」。女性名詞単数主格か対格。ここでは対格。

『この舌は無力だ』

βαθιά(ヴァスィ)・・「深い」。形容詞βαθύςヴァスィス(深い、奥深い、濃い)の女性単数主格形か対格形(または中性複数主格形か対格形)。
θλίψη(スプスィ)・・「悲しみ、苦しみは」。女性名詞単数主格か対格。ここでは主格。
που(プ)・・「~するところの、that」。関係代名詞。
μοιάζει(ミズィ)・・自動詞μοιάζωーゾ(~に似ている、~のように見える)の現在三人称単数形。
με(メ)・・対格につく前置詞。ここでは"μοιάζει με~"で「(それは)~みたいだ」。
απελπισία(アペルピスィア)・・「絶望」。女性名詞単数主格か対格。ここでは対格。

『絶望に似た深い悲しみ』

τα(タ)・・中性名詞の複数主格か対格につく定冠詞。
πάνταンダ)・・「全てのもの、全部が」。複数形のみの中性名詞。主格か対格。ここでは主格。
φαίνονταιフェノンデ)・・「(それらは)見える」。異態動詞φαίνομαιフェノメ(見える、見えてくる、姿を見せる、~のようだ)の現在三人称複数形。
σαν(サン)・・「~のように、~みたいな」。ここでは比較・類似の接続詞。
επακόλουθο(エパルソ)・・「結果、成り行き(に)」。中性名詞単数主格または対格。ここでは対格。
ενός(エス)・・基数詞の1、または不定冠詞の男性(単数)属格または中性(単数)属格。
εφιάλτη(エフィルティ)・・「悪夢の」。男性名詞εφιάλτηςエフィルティス(悪夢)の単数属格または対格。ここでは属格。
※『現代ギリシア語辞典』だとこの単語はf(女性名詞)と書いてるけど、Pocket OxfordでもWiktionaryでもm(男性名詞)とある。たぶんリーベルさんの誤植。

『全てが悪夢の成り行きのようだ』

οποιαδήποτε(オピアズィポテ)・・代名詞。ここでは「どんな~でも」。
λέξηクスィ)・・「単語、言葉」。女性名詞単数主格または対格。
που(プ)・・「~するところの、that」。関係代名詞。
βγαίνει(ヴイェニ)・・「(それは)出る」。自動詞βγαίνωイェーノ(出る)の現在三人称単数形。
από(ア)・・「~から」。対格(たまに主格)につく前置詞。
τα(タ)・・中性名詞の複数主格か対格につく定冠詞。
χείλιαヒィリア)・・「唇を」。中性名詞χείλιヒィの複数主格または対格。
※単数だと上下どちらかの唇を指すのか(?)、普通は複数形で使われる。χείλος(ヒィロス)の口語・俗語的表現。

『唇から零れるどんな言葉も』

εξατμίζεται(エクサトーゼテ)・・「(それは)蒸発する、消え失せる」。他動詞εξατμίζωエクサトーゾ(蒸発させる、気化させる)の中動態現在三人称単数形。
και(キェ)・・「~と、そして」。接続詞。
εξαφανίζεται(エクサファーゼテ)・・「(それは)姿を消す」。自・他動詞εξαφανίζωエクサファーゾ(完全に見えなくする、消滅させる、抹殺する、削除する)の中動態現在三人称単数形。

『蒸発して消えていく』


Αχ)・・「ああ!」。間投詞。
※ここは(ア)かな。
σου(ス)・・「君のために」。二人称単数の人称代名詞。属格弱形。
έδειξαズィクサ)・・「(私が)示した」。自・他動詞δείχνωズィフノ(指差す、指示する、教える、~の兆候を見せる)のアオリスト相過去一人称単数形。
την(ティン)・・女性名詞の単数対格につく定冠詞。
αγάπη(アピ)・・「愛を」。女性名詞単数主格か対格。ここでは対格。
μου(ム)・・「私の」。一人称単数の所有代名詞。属格弱形。

『ああ!おまえに私の愛を示しはしたが』

αλλά(ア)・・「しかし、だが」。接続詞。
γιατί(ヤティ)・・「なぜ、どうして」。疑問詞。
αυτή(アフティ)・・「この」。三人称単数女性の指示代名詞。主格もしくは対格形。
η(イ)・・女性名詞の単数主格につく定冠詞。
ευχή(エフ)・・「心からの願望、望み、祈り(が)」。女性名詞単数主格または対格。ここでは主格。
δενン)・・「~ない」。否定の小辞。動詞の前について否定文を作る。
φτάνει(フニ)・・「(それが)届く」。自動詞φτάνωーノ(~に着く、~に届く)の現在三人称単数形。
σε(セ)・・「~に、~へ」。対格につく前置詞。幅広くat in onの意味を持つ。
σέναナ)・・「君に」。εσέναの語頭母音が消えた形。二人称単数の人称代名詞。属格または対格強勢形。ここでは対格。
"σε σένα"は"σ᾿εσένα"と綴ることもある。

『どうしてこの願いがおまえに届かない?』

αλλά(ア)・・「しかし、だが」。接続詞。
γιατί(ヤティ)・・「なぜ、どうして」。疑問詞。
αυτή(アフティ)・・「この」。三人称単数女性の指示代名詞。主格もしくは対格形。
η(イ)・・女性名詞の単数主格につく定冠詞。
ευχή(エフ)・・「心からの願望、望み、祈り(が)」。女性名詞単数主格または対格。ここでは主格。
δενン)・・「~ない」。否定の小辞。動詞の前について否定文を作る。
φτάνει(フニ)・・「(それが)届く」。自動詞φτάνωーノ(~に着く、~に届く)の現在三人称単数形。
σε(セ)・・「~に、~へ」。対格につく前置詞。幅広くat in onの意味を持つ。
σέναナ)・・「君に」。εσέναの語頭母音が消えた形。二人称単数の人称代名詞。属格または対格強勢形。ここでは対格。

『どうしてこの願いがおまえに届かない?』

η(イ)・・女性名詞の単数主格につく定冠詞。
υπερηφάνεια(イペリファニア)・・「誇りが」。女性名詞単数主格または対格。ここでは主格。他に「自慢、自惚れ」などの意味もある。
μου(ム)・・「私の」。一人称単数の所有代名詞。属格弱形。
τώραーラ)・・「今、現在」。副詞。
έχειヒ)・・haveっぽい助動詞έχωの現在三人称単数形。ここでは動詞の完了基と共に完了相現在を作っている。
γίνειニ)・・becomeっぽい異態動詞γίνομαιノメ(生じる、~になる)の完了基。"έχει γίνει"で「(それは)~になっている」。
※完了相現在形は、「話している時点で既に動作が終わっているけどその結果が残っている」ような時の言い回し。アオリスト相過去形に比べると使われる頻度が低い。

βαριές(ヴァリス)・・「重い」。形容詞βαρύςヴァ(重い、重量のある、辛い、重苦しい)の女性複数主格形または対格形。

και(キェ)・・「~と、そして」。接続詞。
σκοτεινές(スコティス)・・「暗澹とした」。形容詞σκοτεινόςスコティ(暗い、暗闇の、はっきりしない、見通しが暗い)の女性複数主格形または対格形。
χειροπέδες(ヒィロゼス)・・「手枷(複)に」。女性名詞χειροπέδηヒィロズィ(手錠、手枷)の複数主格または対格。ここでは対格。

『私の誇りは 今 重く 陰鬱な枷となりはてた』


αναρωτιέμαι(アナロティーメ)・・「(私は)~だろうかと思う」。中動態のみの動詞αναρωτιέμαιアナロティーメ(~を不思議に思う、~かしらと思う)の一人称単数形。従属節を伴う。
μήπωςポス)・・「ひょっとして、もしや~ではないか」。疑問文で使われる副詞。
αν(アン)・・「~かどうか」。接続詞。ここでは間接疑問文を導いて条件法を作っている。
τα(タ)・・「それ(中性)らを」。三人称複数中性の人称代名詞。対格弱形。
※ここではντの並びになるので[nd]音。普通はαν τα(アンダ)になるけど、志方さんは濁ってないかも。
πετάξω(ペクソ)・・「(私が)投げ捨てたなら」。自・他動詞πετώ(飛ぶ、飛行する、投げる)のアオリスト相未来一人称単数形。ここでは接続詞ανがついて条件法。
όλα(オーラ)・・「何もかも全てを」。形容詞όλος(すべての)の中性複数主格形か対格形。ここでは代名詞として使われている。
και(キェ)・・「~と、そして」。接続詞。
γονατίσω(ゴナティソ)・・「(私が)跪いたなら」。自・他動詞γουνατίζωゴナティ(跪く、へりくだる、跪かせる)のアオリスト相未来一人称単数形。ここでは接続詞ανがついて条件法。
στα(スタ)・・「~に、~で、~において、~の中で」。対格につく前置詞σε(幅広くat in onの意味を持つ)と定冠詞τα(中性複数主格か対格につく)の省略形。
πόδιαズィア)・・「両足に」。中性名詞πόδιズィ(足、脚)の複数主格または対格。ここでは対格。
σου(ス)・・「君の」。二人称単数の所有代名詞。

οι(イ)・・男性または女性名詞の複数主格につく定冠詞。
χειροπέδες(ヒィロゼス)・・「手枷(複)が」。女性名詞χειροπέδηヒィロズィ(手錠、手枷)の複数主格または対格。ここでは主格。
αυτές(アフス)・・「この」。三人称複数女性の指示代名詞。主格もしくは対格形。
θα (サ)・・動詞の未来形につく小辞。
ξεκλειδωθούν(クセクリゾン)・・「(それらは)鍵を開けられるだろう」。他動詞ξεκλειδώνωクセクリーノ(鍵を開ける)の受動態アオリスト相未来三人称複数形。ここでは条件節に対する帰結節。実現可能で現実的な仮定。

『何もかも打ち捨て おまえの足元に平伏したなら この枷が外れようかと思いもする』

ακούγεται(アゲテ)・・「(それは)聞かれる」。自・他動詞ακούω(聞く、聞こえる、耳が聞こえる)の中動態現在三人称単数形。
ο(オ)・・男性名詞の単数主格につく定冠詞。
ήχοςホス)・・「音は」。男性名詞単数主格。
του(トゥ)・・三人称単数の中性または男性名詞の単数属格につく定冠詞。
γραναζιού(グラナズィ)・・「歯車の」。中性名詞γρανάζιグラーズィ(歯車、ギア)の単数属格。
※外来語。元はフランス語の男性名詞engrenage(アングルナージュ:歯車)。
με(メ)・・「~と共に」。対格につく前置詞。
τη(ティ)・・女性名詞の単数対格につく定冠詞。
κακόφωνη(カフォニ)・・「耳障りな」。形容詞κακόφωνοςフォノス(耳障りな、不協和音の)の女性単数主格形または対格形。
στριγκλιά(ストリングリ)・・「悲鳴(を)」。女性名詞単数主格または対格。ここでは対格。「金切り声、意地悪さ」などの意味もある。

『歯車の音が聞こえてくる(人に聞かれる) 耳障りな軋みと共に』

πλησιάζει(プリスィズィ)・・「(それが)近づく」。自・他動詞πλησιάζωプリスィーゾ(近づける、接近させる、近づく、迫る)の現在三人称単数形。
το(ト)・・中性名詞の単数主格または対格につく定冠詞。
γρανάζι(グラーズィ)・・「歯車が」。中性名詞単数主格または対格。ここでは主格。
βγάζοντας(ヴゾンダス)・・「出しながら」。他動詞βγάζωーゾ(出す)の能動分詞。
μαύροマヴロ)・・「黒い」。形容詞μαύροςマヴロス(黒い、暗い、闇の、陰気な、不吉な)の男性単数対格形または中性単数主格形か対格形。
καπνό(カプ)・・「煙を」。男性名詞καπνόςカプ(煙、排煙)の単数対格。

『歯車が迫り来る 黒い煙を吐きながら』

Αχ)・・「ああ!」。間投詞。
η(イ)・・女性名詞の単数主格につく定冠詞。
μοίραラ)・・「運命は」。女性名詞単数主格か対格。ここでは主格。「部分、分け前、(軍の)中隊、運命」などの意味がある。
που(プ)・・「~するところの、that」。関係代名詞。
κρύβεται(クーヴェテ)・・「(それは)潜んでいる」。他動詞κρύβωーヴォ(隠す、秘密にする)の中動態現在三人称単数形。
στη(スティ)・・「~に、~で、~において、~の中で」。対格につく前置詞σε(幅広くat in onの意味を持つ)と定冠詞τηティ(女性単数対格につく)の省略形。
σκιά(スキ)・・「影(に)」。女性名詞単数主格または対格。ここでは対格。
της(ティス)・・女性名詞の単数属格につく定冠詞。
ευτυχίας(エフティヒァス)・・「幸せの」。女性名詞ευτυχίαエフティヒァ(幸運、幸せ)の単数属格。

『ああ 幸せの陰に潜む運命』

η(イ)・・女性名詞の単数主格につく定冠詞。
κλωστή(クロスティ)・・「糸は」。女性名詞単数主格または対格。ここでは主格。
που(プ)・・「~するところの、that」。関係代名詞。
δένειニ)・・「(それは)結ぶ」。自・他動詞δένω{(~を)結ぶ、縛る、濃厚になる、(果実が)実を結ぶ}の現在三人称単数形。
τους(トゥス)・・「彼らを」。三人称複数男性の人称代名詞。対格弱形。
※複数の人、物を指す時、その中に男性がひとり(ひとつ)でもいれば、女性や中性が混じっていても男性形になる。
δυοズィオ)・・「2(人)」。無変化の基数詞。
μας(マス)・・「私たちの」。一人称複数の人称代名詞。属格または対格弱形。ここでは・・属格?
※ここにμαςが来る意味が良く分からなかったけど、「私たち(ヒュメンとカリオペ)のかわいいオルフェウスとその妻」って意味かな?
είναιーネ)・・「(それは)~である」。連辞動詞είμαιーメ(存在する、~だ:be動詞的なもの)の現在三人称単数もしくは複数形。ここでは単数現在形。
λεπτή(レプティ)・・「細い」。形容詞λεπτόςレプ(皮を剥いで細くなった、細い、壊れやすい、デリケートな)の女性単数主格形か対格形。
και(キェ)・・「~と、そして」。接続詞。
εύθραυστηエフスラフスティ)・・「脆い」。形容詞εύθραυστοςエフスラフストス(壊れやすい、もろい、傷つきやすい)の女性単数主格形か対格形。

『我らの(見守る)あの2人を結ぶ糸は 細く脆い』

※枠内、"Αχ, η μοίρα που κρύβεται στη σκία της ευτυχίας."のバックというか、重ねて歌ってます。聴き取り難し。

πόσοソ)・・「何と~だろう」。間投詞。
βαθύ(ヴァスィ)・・「深い」。形容詞βαθύςヴァスィス(深い、奥深い、濃い)の中性単数主格形か対格形または男性単数対格形。
είναιーネ)・・「(それは)~である」。連辞動詞είμαιーメ(存在する、~だ:be動詞的なもの)の現在三人称単数もしくは複数形。ここでは単数現在形。
το(ト)・・中性名詞の単数主格か対格につく定冠詞。
ποτάμι(ポミ)・・「川、河が」。中性名詞単数主格または対格。
που(プ)・・「~するところの、that」。関係代名詞。
μας(マス)・・「私たちを」。一人称複数の人称代名詞弱形。対格か属格。ここでは対格。
χωρίζει(ホズィ)・・「(それは)分ける」。自・他動詞χωρίζωーゾ(分ける、別にする、切り離す、分かれている、別れる)の現在三人称単数形。

『私たちを隔てる川の、何と深いことだろう』

※そんでもってもいっちょ枠内、"Αχ, η μοίρα που κρύβεται στη σκία της ευτυχίας."と重ねて高音で歌ってます。



素材を加工の上お借りしています

この文章書いてる人は素人です。結構適当書いてます。
このページはあくまで『Istoria~Kalliope~』買った人向け、参考にならない辞書もどきであって、
著作権侵害の意図はこれっぽっちもありません。が、もし怒られたら消えます。

主要引用・参考資料
 1.『現代ギリシア語辞典』(リーベル出版 第3版増補版 2004)

 2.『現代ギリシア語文法ハンドブック』(白水社 2009)

 3."Pocket Oxford Greek Dictionary"(Oxford Univ Pr. 2000 2nd Edition)
 現代ギリシア語⇔英語辞書 

 4.『羅和辞典 田中秀央編』(研究社 2005 第39刷)

 5.『変身物語(下)中村善也訳』(岩波文庫 1984)

 スルモー生まれの詩人プブリウス・オウィディウス・ナーソーさん(Publius Ovidius Naso:BC43~AD17)による叙事詩メタモルポーセース(Metamorphoses)の邦訳版。ラテン文学の傑作で、いわゆる「ギリシア神話」原典の一つ。タイトルの通り「変身」をメインテーマに、ギリシア・ローマの神々や人々が織り成す交々を描いている。
 6."An intermediate LIDELL AND SCOTT'S Greek-English Lexicon"(Oxford Univ Pr. 1945 7th Edition)
 古典ギリシア語→英語辞書。
 7."Perseus Digital Library"
 アメリカ、タフト大学の提供でお送りするデジタル・データベース。ギリシアやラテンの古典文学に強い。原文やら英語訳やら、有名な古典作品があれもこれも無料で検索し放題、読み放題(読めればの話orz)という素晴らし過ぎる代物。壺絵やコインの画像もある。