La Fatalite フランス語メモ
love solfege 『La Fatalite』より

激しいギターとチェンバロで始まる、
ネオクラシカルメタル。
作詞&歌唱は鮎さん。

メモはちょこっとあるフランス語部分(と一部英語部分の訳)のみ。

何とbandcampで無料で聴けるようになりました。
勿論惚れたらお金も払えます。

※動詞の法は、特に断りがない限り直説法です。

la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
fatalité(ファタリテ)・・「運命、宿命、不運、悲運、不可避、必然」。女性名詞単数形。
 曲名、アルバム名にはアクサンテギュがついてない。たぶん日本語環境での表示のし難さから。ジャケットロゴにはついてる。角度のせいでどっちかっつーとアクサン・グラーヴに見えるけど。

 『不可避の定め』

fleur de lis(フルールダリ)・・「百合(lis)の(de)花(fleur)、百合紋」。女性固有名詞。鮎さんは英語寄り日本語発音?カナでちゃんと表せないことは承知の上で、仏語の発音に寄せるなら(フルール・ドゥ・リス)が近い。
 fleur de lis(fleur de lys)と言うと、通常は百合紋()を指す。同じような紋様は古代から存在したけど、この名前で呼ばれるようになるのは12世紀以降。紋章(仏:Blasonブラゾン/英:Coat of armsコート・オブ・アームズ)の盾(ÉcuエキュEscutcheonエスカッシャン)に描かれる図形(ChargeシャルジュChargeチャージ)の一つとして発展した。紋章の図形としても装飾紋様としても数百年ずっと人気。
 特にかつてのフランス王家の紋章が有名。ルイ6世またはルイ7世の時代以降、長らくキリスト教的聖性、王権、騎士道精神、三位一体等の象徴として扱われた。名前は百合だけど、ユリ(Lis/Lys)ではなくアイリス(Iris)の花の形状を模しているとも、フランク人の使った投槍(アンゴン)を模しているとも論じられる。

 なんてことをつらつら書いといて何だけど、この歌では言葉通りの「百合の花」、聖母マリアのアトリビュート(表徴、持物)たる花を指してるのかな?ジャケットやブックレットのイラスト的にも。
 歌詞カードでfleur da lisになっているのは誤植だろうか?

 『百合の花よ』

je(ジュ)・・「私は」。一人称単数の人称代名詞主格。
t'adore(タドール)・・「(私は)君を愛する、崇拝する」。二人称単数目的格の人称代名詞teトゥ(君を、君に)+他動詞adoreアドレ(~が大好きである、~を熱愛する、崇拝する)の一人称単数現在形。

 『お前を愛している』

à(ア)・・前置詞。
la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
folie(フォリ)・・「狂気、精神錯乱、常軌を逸していること、狂気の沙汰、法外な出費、熱狂」。"à la folie"で「熱烈に、熱狂的に」。
 歌詞カードでは"a la folie"。

 『狂おしく』

la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
cathédrale(カテドラル)・・「司教座聖堂、カテドラル、大聖堂」。女性名詞単数形。

requiem(レキュイエム)・・「レクイエム、死者のためのミサ(曲)、鎮魂曲」。無変化の男性名詞。

égalité(エガリテ)・・「平等、同等、等しさ、規則正しさ、むらのなさ、安定」。女性名詞単数形。
 「祈りは等しく届かない」という感じの「平等」の意味なのだろうか。「安定した脈拍」なども指す単語なので、『お前の届かぬ祈りは脈打つ』の歌詞とも呼応しているのか。

fatalité(ファタリテ)・・「運命、宿命、不運、悲運、不可避、必然」。女性名詞単数形。
 「ファタリテ」≒英語部分の"unavoidable fate"だよな。

【英語部分】

もしも世界に幸福を齎すために
私が滅ぼされるとしても
その不可避の定めを潔く受け入れよう

 かっこいい宗教曲。心に押し込めた中二病が疼く。これ歌ってる人PATRICK COXのシルバーアクセとか着けてそう。昔好きだった。
 切に祈りながら「なーんもしてくれないじゃん…」とやさぐれて毒を含むAve Mariaも好きだけど、La Fataliteの攻撃性の高さもいいよね。
 聖母に祈るべきか、オーギュちゃんに祈るべきか、それが問題だ。


素材をお借りしています↑

参考文献
 ・『ロワイヤル仏和中辞典 第2版』(旺文社 2005)


この文章書いてる人はフランス語に関してド素人です。
このページはあくまで『La Fatalite』CD等買った人向け、参考にならない辞書もどきであって、
著作権侵害の意図はありません。が、もし怒られたら消えます。