Demoiselle (La Ballade de Viviane)  フランス語メモ
Cécile Corbel " Graal "より

 2024年9月に発売された、セシル・コルベルさんのCDブック、
アーサー王伝説をテーマにしたコンセプト・アルバムは、その名も" Graal(聖杯) "。

何百年も口頭で様々に語り伝えられてきたものが、12世紀頃、文字で書かれた文学作品となり、
その後も様々に展開した一連の物語たち。
アーサー王と円卓の騎士は唯一神とキリストに帰依する存在であるものの、
彼らの側には魔法があり、魔術師や妖精がいて、
どうしようもなく、既に消えて行った異教の残り香が息衝いている。
そんな、狭間に揺れる美しい世界を描き出した歌物語。
その1曲目、湖の乙女のバラード。

※動詞の法は、特に断りがない限り直説法です。

demoiselle(ドゥモワゼル)・・「お嬢さん、娘さん、未婚女性、(18世紀末までの)高貴な身分の姫君、奥方」。女性名詞単数形。
la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
ballade(バラード)・・「バラード(民間伝承詩、物語詩)」。女性名詞単数形。
de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
Viviane(ヴィヴィアーヌ)・・「ヴィヴィアーヌ、ヴィヴィアン」。女性固有名詞。人名。

『ドゥモワゼル(ヴィヴィアンのバラード)』

au(オ)・・「~に」。縮約冠詞。前置詞à+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。àはピンポイントで場所を指すイメージ。
fond(フォン)・・「底、奥、地下、低地、背景」。男性名詞単数形。
de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
l'eau(ロー)・・「水」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞eau(水)の単数形。

demoiselle(ドゥモワゼル)・・「お嬢さん、娘さん、未婚女性、(18世紀末までの)高貴な身分の姫君、奥方」。女性名詞単数形。
sorcière(ソルスィエール)・・「(女性の)魔法使い、魔術師、魔女、鬼ばば」。女性名詞単数形。

 ・dans(ダン)・・「~の中に」。前置詞。
 ・un(アン)・・男性名詞単数形につく不定冠詞。
dans un(ダンザン)》
reflet(ルフレ)・・「反射光、照り返し、(映った)姿、反映するもの」。男性名詞単数形。

cachée(カシェ)・・形容詞cachéカシェ(隠された、隠れた、目立たない)の女性複数形。
dans(ダン)・・「~の間に」。前置詞。
l'onde(ローンド)・・「波」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞ondeオーンド(波、電波、水)の単数形。

『水面に照り返す光の中、波間に隠された、その水底に、魔術師の乙女』

resteras-tu(レステラテュ)・・「君は~のままでいるだろうか?」。自動詞resterレステ(留まる、居続ける)の二人称単数未来形resterasレステラ+二人称単数主格の人称代名詞tuテュ。倒置疑問文。

à(ア)・・前置詞。
jamais(ジャメ)・・副詞。ここでは"a jamais"で「永久に、永遠に」。
prisonnière(プリゾニエール)・・「(女性の)囚人、捕虜、囚われ人」。女性名詞単数形。

『あなたは永久に囚われたままなのだろうか?』

de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
ton(トン)・・「君の」。二人称単数の所有形容詞男性単数形。
palais(パレ)・・「宮殿、大建築物、裁判所」。男性名詞単数形。

à(ア)・・「~に、~で」。前置詞。
la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
croisée(クロワゼ)・・「交差点」。女性名詞単数形。
des(デ)・・縮約冠詞。前置詞deドゥ+名詞の複数形につく定冠詞lesの縮約。
mondes(モーンド)・・「世界(複)」。男性名詞mondeモーンド(世界)の複数形。

『世界の交じり合う所にある、あなたの宮殿に』
 「あなたは永遠に世界の交差点にあるあなたの宮殿の囚人であり続けるのだろうか?」

guide(ギッド)・・「(それは)先導する」。他動詞guiderギデ(案内する、先導する、誘導する、指針を与える)の三人称単数現在形。
les(レ)・・名詞の複数形につく定冠詞。
pas(パ)・・「歩み(複)」。単複同形の男性名詞。ここでは複数形。

du(デュ)・・「~の」。縮約冠詞。前置詞deドゥ+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
chevalier(シュヴァリエ)・・「騎士」。男性名詞単数形。

『騎士の歩みを導き』

tisse(ティス)・・「(それは)織り成す」。他動詞tisserティセ{(布、糸を)織る、織り上げる、(クモが)巣を張る、(物語や計画を)織り成す、仕組む}の三人称単数現在形。
sa(サ)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。女性単数形。
destinée(デスティネ)・・「(個人の)運命、宿命、生涯、行く末」。女性名詞単数形。
dans(ダン)・・「~の中に」。前置詞。
les(レ)・・名詞の複数形につく定冠詞。
filets(フィレ)・・「網(複)」。男性名詞filetフィレ(網)の複数形。
du(デュ)・・「~の」。縮約冠詞。前置詞deドゥ+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
temps(タン)・・「時、時間」。男性名詞単数形。

『時の網に彼の運命を織り込んで』

guide(ギッド)・・「(それは)指導する」。他動詞guiderギデ(案内する、先導する、誘導する、指針を与える)の三人称単数現在形。
la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
voix(ヴォワ)・・「声」。女性名詞単数形。

la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
mémoire(メモワール)・・「記憶、思い出、物覚え、名声、記録装置」。女性名詞単数形。
du(デュ)・・「~の」。縮約冠詞。前置詞deドゥ+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
vent(ヴァン)・・「風」。男性名詞単数形。

『風の記憶を標として伝え』
 こういう意味か?

 ・donne(ドン)・・「(それは)与える」。他動詞donnerドネ(~を与える、~を支払う、~を渡す、伝える、生み出す、もたらす、催す、~をする)の三人称単数現在形。
 ・au(オ)・・「~に」。縮約冠詞。前置詞à+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
Donne au(ドノ)》
roi(ロワ)・・「王」。男性名詞単数形。
 ・son(ソン)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。母音または無音のhで始まる女性名詞単数形につく。
 ・épée(エペ)・・「剣」。女性名詞単数形。
son épée(ソネペ)》
 ・dans(ダン)・・「~で、~から」。前置詞。
 ・un(アン)・・男性名詞単数形につく不定冠詞。
 ・enchantement(アンシャントマン)・・「歓喜、魅惑的なもの、魔法をかけること、呪縛、呪文」。男性名詞単数形。
dans un enchantement(ダンザナンシャントマン)》

『王に魔法で剣を与える』

au(オ)・・「~に」。縮約冠詞。前置詞à+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。àはピンポイントで場所を指すイメージ。
fond(フォン)・・「底、奥、地下、低地、背景」。男性名詞単数形。
de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
l'eau(ロー)・・「水」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞eau(水)の単数形。

demoiselle(ドゥモワゼル)・・「お嬢さん、娘さん、未婚女性、(18世紀末までの)高貴な身分の姫君、奥方」。女性名詞単数形。
sorcière(ソルスィエール)・・「(女性の)魔法使い、魔術師、魔女、鬼ばば」。女性名詞単数形。

 ・dans(ダン)・・「~の中に」。前置詞。
 ・un(アン)・・男性名詞単数形につく不定冠詞。
dans un(ダンザン)》
reflet(ルフレ)・・「反射光、照り返し、(映った)姿、反映するもの」。男性名詞単数形。

cachée(カシェ)・・形容詞cachéカシェ(隠された、隠れた、目立たない)の女性複数形。
dans(ダン)・・「~の間に」。前置詞。
l'onde(ローンド)・・「波」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞ondeオーンド(波、電波、水)の単数形。

『水面に照り返す光の中、波間に隠された、その水底に、魔術師の乙女』

resteras-tu(レステラテュ)・・「君は~のままでいるだろうか?」。自動詞resterレステ(留まる、居続ける)の二人称単数未来形resterasレステラ+二人称単数主格の人称代名詞tuテュ。倒置疑問文。

à(ア)・・前置詞。
jamais(ジャメ)・・副詞。ここでは"a jamais"で「永久に、永遠に」。
prisonnière(プリゾニエール)・・「(女性の)囚人、捕虜、囚われ人」。女性名詞単数形。

『あなたは永久に囚われたままなのだろうか?』

de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
ton(トン)・・「君の」。二人称単数の所有形容詞男性単数形。
palais(パレ)・・「宮殿、大建築物、裁判所」。男性名詞単数形。

à(ア)・・「~に、~で」。前置詞。
la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
croisée(クロワゼ)・・「交差点」。女性名詞単数形。
des(デ)・・縮約冠詞。前置詞deドゥ+名詞の複数形につく定冠詞lesの縮約。
mondes(モーンド)・・「世界(複)」。男性名詞mondeモーンド(世界)の複数形。

『世界の交じり合う所にある、あなたの宮殿に』

le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
miroir(ミロワール)・・「鏡、鏡面、映すもの」。男性名詞単数形。
de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
l'eau(ロー)・・「水」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞eau(水)の単数形。

la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
lune(リュンヌ)・・「月」。女性名詞単数形。
d'opale(ドパール)・・「オパールの」。前置詞deドゥ+女性名詞opaleオパール(オパール、蛋白石)の単数形。

『水鏡に、オパールの月に、』

la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
forêt(フォレ)・・「森、森林」。女性名詞単数形。
ton(トン)・・「君の」。二人称単数の所有形容詞。男性単数形。
manteau(マントー)・・「コート、オーバー」。男性名詞単数形。
t'habillent(タビエ)・・「(それらは)君に着せる」。二人称単数目的格の人称代名詞teトゥ+他動詞habillerアビエ(~に服を着せる、~に服を仕立てる、~に似合う、~に覆いをする、飾る)の三人称複数現在形。
et(エ)・・「そして」。接続詞。
te(トゥ)・・「君を」。二人称単数目的格の人称代名詞。
protègent(プロテジェ)・・「(それらは)守る」。他動詞protégerプロテジェ(~を保護する、守る、擁護する、庇護する)の三人称複数現在形。

『森は、あなたに上着を着せて守っている』

prisonnière(プリゾニエール)・・「(女性の)囚人、捕虜、囚われ人」。女性名詞単数形。

d'un(ダン)・・「~の」。前置詞deドゥ+男性名詞(単数形)につく不定冠詞unアン
château(シャトー)・・「城、宮殿、大邸宅、シャトー(ワインの蔵元)」。男性名詞単数形。
de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
cristal(クリスタル)・・「水晶、クリスタルガラス、結晶体」。男性名詞単数形。

『水晶の城の囚われ人』

une(ユヌ)・・女性名詞単数形につく不定冠詞。
prison(プリゾン)・・「刑務所、監獄、牢、禁錮、勾留、懲役」。女性名詞単数形。
de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
verre(ヴェール)・・「ガラス、グラス、レンズ」。男性名詞単数形。
garde(ガルド)・・「(それは)保つ」。他動詞garderガルデ(~の世話をする、~を保存する、~を取っておく)の三人称単数現在形。
tes(テ)・・「君の」。二人称単数の所有形容詞。複数形。
sortilèges(ソルティレージュ)・・「魔法」。男性名詞sortilègeソルティレージュ(魔法、妖術、魔力)の複数形。

『ガラスの牢獄が、あなたの魔法を閉じ込めている』

mais(メ)・・「だが、でも、いったい、さて」。接続詞。
le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
 ・monde(モーンド)・・「世界」。男性名詞単数形。
 ・a(ア)・・英語のhaveっぽい助動詞avoirアヴォワールの三人称単数現在形。ここでは過去分詞と共に複合過去を作っている。
monde a(モーンダ)》
changé(シャンジェ)・・自他動詞changerシャンジェ(~を変える、変化させる、取り替える、両替する、変わる)の過去分詞。"a changé"で「(それは)変わった」。

『けれど、世界は変わってしまった』

toutes(トゥット)・・「全ての、全部の」。不定形容詞toutトゥー(全体、~の全て)の女性複数形。
les(レ)・・名詞の複数形につく定冠詞。
fées(フェ)・・「妖精たち」。女性名詞féeフェ(妖精、仙女)の複数形。
s'envolent(サンヴォル)・・「(それらは)飛び去る」。代名動詞s'envolerサンヴォレ(飛び立つ、飛び去る、吹き飛ばされる、消え去る)の三人称複数現在形。

comme(コム)・・「~のように」。接続詞。
les(レ)・・名詞の複数形につく定冠詞。
feuilles(フイユ)・・「葉(複)」。女性名詞feuilleフイユ(葉、紙片)の複数形。
d'automne(ドトンヌ)・・「秋の」。前置詞deドゥ+男性名詞automneオトンヌ(秋)の単数形。

『妖精たちは皆、秋の木の葉のように飛び去っていく』

loin(ロワン)・・「遠く、離れて」。副詞。
du(デュ)・・「~から」。縮約冠詞。前置詞deドゥ+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
regard(ルガール)・・「視線、眼差し」。男性名詞単数形。
 ・des(デ)・・「~の」。縮約冠詞。前置詞deドゥ+名詞の複数形につく定冠詞lesの縮約。
 ・hommes(オム)・・「人々」。男性名詞hommeオム(人間、男)の複数形。
des hommes(デゾム)》

『人々の目につかないところへ』

 ・tout(トゥー)・・「全て、全部」。不定代名詞単数形。
 ※本(歌詞カード)だと« Le monde a changé »(世界は変わってしまった)だけど、たぶん↑。
 ・a(ア)・・英語のhaveっぽい助動詞avoirアヴォワールの三人称単数現在形。ここでは過去分詞と共に複合過去を作っている。
tout a(トゥータ)》
changé(シャンジェ)・・自他動詞changerシャンジェ(~を変える、変化させる、取り替える、両替する、変わる)の過去分詞。"a changé"で「(それは)変わった」。

『全ては変わってしまった』

la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
magie(マジ)・・「奇術、マジック、魔法、魔術、呪術」。女性名詞単数形。
se meurt(ス ムル)・・「(それは)消えつつある」。自動詞mourirムリール(死ぬ、枯れる、消える)の代名動詞形 se mourirムリール(死にかけている、死に瀕している)の三人称単数現在形。この代名動詞が使われるのは直接法現在と半過去のみ。

『魔法は消えつつある』

 ・elle(エル)・・「彼女は」。三人称単数女性、主格の人称代名詞。
 ・attend(アタン)・・「(それが)待つ」。他動詞attendreアターンドル(~を待つ、期待する)の三人称単数現在形。
elle attend(エラタン)》
 ・son(ソン)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。母音または無音のhで始まる女性名詞単数形につく。
 ・heure(ウール)・・「時間、時刻、定刻」。女性名詞単数形。
son heure(ソヌール)》

『彼女はその時を待って、』

et(エ)・・「そして」。接続詞。
dort(ドール)・・「(それは)眠る」。自動詞dormirドルミール(眠る、活用されない、だらける)の三人称単数現在形。
dans(ダン)・・「~の中に」。前置詞。
l'eau(ロー)・・「水」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞eau(水)の単数形。
profonde(プロフォーンド)・・「深い」。形容詞profondプロフォン(深い、奥行きがある、甚だしい、深遠な)の女性単数形。

『深い水の中で眠っている』

au(オ)・・「~に」。縮約冠詞。前置詞à+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。àはピンポイントで場所を指すイメージ。
fond(フォン)・・「底、奥、地下、低地、背景」。男性名詞単数形。
de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
l'eau(ロー)・・「水」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞eau(水)の単数形。

demoiselle(ドゥモワゼル)・・「お嬢さん、娘さん、未婚女性、(18世紀末までの)高貴な身分の姫君、奥方」。女性名詞単数形。
sorcière(ソルスィエール)・・「(女性の)魔法使い、魔術師、魔女、鬼ばば」。女性名詞単数形。

 ・dans(ダン)・・「~の中に」。前置詞。
 ・un(アン)・・男性名詞単数形につく不定冠詞。
dans un(ダンザン)》
reflet(ルフレ)・・「反射光、照り返し、(映った)姿、反映するもの」。男性名詞単数形。

cachée(カシェ)・・形容詞cachéカシェ(隠された、隠れた、目立たない)の女性複数形。
dans(ダン)・・「~の間に」。前置詞。
l'onde(ローンド)・・「波」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞ondeオーンド(波、電波、水)の単数形。

『水面に照り返す光の中、波間に隠された、その水底に、魔術師の乙女』

tu(テュ)・・「君は」。二人称単数主格の人称代名詞
resteras(レステラ)・・「(君は)~のままでいるだろう」。自動詞resterレステ(留まる、居続ける)の二人称単数未来形。

à(ア)・・前置詞。
jamais(ジャメ)・・副詞。ここでは"a jamais"で「永久に、永遠に」。
prisonnière(プリゾニエール)・・「(女性の)囚人、捕虜、囚われ人」。女性名詞単数形。

『あなたは永久に囚われたままだろう』

je(ジュ)・・「私は」。一人称単数主格の人称代名詞。
t'ai(テ)・・二人称単数目的格の人称代名詞teトゥ+英語のhaveっぽい助動詞avoirアヴォワールの一人称単数現在形。ここでは過去分詞と共に複合過去を作っている。
laissée(レセ)・・他動詞laisserレセ(~を残す、置いておく、置き忘れる、離れる、放っておく)の過去分詞。女性単数形。
 avoirの複合過去だと過去分詞は主語に合わせて性数変化しないけど、直接目的語が動詞の前に来る場合は、この直接目的語の性数に合わせて変化する。ここではt'(te)に合っている。"Je t'ai laissée"で「私は君(女性)を残してきた、置いて行った」。

『私はあなたを置いてきた』

à(ア)・・「~に、~で」。前置詞。
la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
croisée(クロワゼ)・・「交差点」。女性名詞単数形。
des(デ)・・縮約冠詞。前置詞deドゥ+名詞の複数形につく定冠詞lesの縮約。
mondes(モーンド)・・「世界(複)」。男性名詞mondeモーンド(世界)の複数形。

『世界の交じり合う所に』

 ヴィヴィアーヌ(ヴィヴィアン)、ニミュエ(ニムエ)、湖の貴婦人……中世の文学において、作家たちは彼女に様々な名前を付けた。
 魔術師であり、メルラン(マーリン)の弟子であり恋人でもある彼女は、明確に、目に見えない世界と古代ケルトの信仰の境界に身を置いている。
 彼女はランスロー(ランスロット)を養育し、彼が最も優れた騎士になるのに必要なあらゆる教育を施した。
 また、アルテュール(アーサー)に魔法の剣エクスカリビュール(エクスカリバー)を授け、聖杯を探索する王とその宮廷を守ってもいる。
 その一方、ヴィヴィアンは、異教的で超自然的な古の世界と繋がった、「小さな人々(le petit peuple)」の守護者である。
 このように、アーサー王と彼の騎士たちを手助けし、守護することで、彼女は、言わば、古の異教の世界、自然と妖精たち(fées)、小人たち(lutins)の世界の断絶を印付ける。新たな世界と新たなキリスト教の誕生のために。
 それは冒険の時代と伝説の終わる時で、妖精ヴィヴィアンは、大自然の精霊たち、ドラゴンたち、そして彼女の種族を代表するものたち全てと共に姿を消すことを決める。
 彼女はマーリンを幽閉し、エクスカリバーを取り戻し、目に見える世界と見えない世界、二つの世界の境界にある湖に潜って、人々の目から永遠に身を隠す。
 彼女の住居は、コンペール城の大きな池の、深い水の底にある。
 最新の伝説によると、彼女はマーリンが彼女への愛ゆえに建てた水晶の城に住んでいる。その城は人の目から隠されていて、純粋な心の持ち主と、古の世界の妖精を信じる者だけが目にすることができるという。
 私はヴィヴィアンと彼女の理想、また彼女の矛盾を愛している。それから、彼女が愛において、他のあらゆる選択と同じく、常に自分の心の導くままに行動するところを。
 彼女は、母のように「小さな人々」を人間の狂気から守るけれど、人間が探索を進めるのを助けもする。
 私には、彼女が時に少し悲しげな、オパール色に輝く水の妖精のように見える。彼女は、透明な水鏡を通して、何世紀にも渡って人間たちを観察し、私たちが過ちを犯すのを見ると溜め息を吐き、私たちが理想に適うところを見せると微笑みを浮かべる。
 引き続き、ヴィヴィアンが帰って来るかもしれないと思い描く人もいる……けれど、私たちは十分に賢くなっただろうか?

(Cécile Corbelによる楽曲解説)

※人名等固有名詞は、「ヴィヴィアーヌ(ヴィヴィアン)」のようにフランス語名カナ読みの隣に日本で馴染みのある表記(概ね英語風)を並べ、二度目以降の登場は後者に統一しています。

 Cécile Corbelさんの"Graal"、セシルさんの弾き語りが好きな人にも、アーサー王伝説が好きな人にもおすすめしたい。
 長きに渡って語られ、綴られ、変容してきたアーサー王と聖杯探索の物語。今も物語は発展していて、このアルバムもその歴史に残るのだろう。
 円卓の騎士よりもアーサー王の方が多い、某ゲームと同様に。
 ちなみに、上記の通り、ヴィヴィアンが住む水晶の城があるという大池はコンペール城(Château de Comper)の敷地内にあるんだけど、この城、現在ではCentre de l'Imaginaire Arthurien(アーサー王イマジナリーセンター)になっている。古のロマンにどっぷり浸れはしなさそうだけど、アーサー王伝説関連の展示やイベントが楽しめる、世界中のアーサリアンが集まる聖地である。


 曲は配信されてて、Youtube公式チャンネルとかSpotifyとかamazon musicとかでも聴けるし購入できるんだけど、CDブックを手に入れる手段が限られてるのが辛い。
 コンサートやライブの物販に突撃するんじゃなければ、こちらの公式ホームページ通販で入手するのが確実。
 でも歌詞に解説に雰囲気最高の絵と共にお歌が聴けて、CDブックはいいものだぞ。我儘を言えば日本語版を出して欲しい。


↑素材をお借りしています

参考資料
 ・『ロワイヤル仏和中辞典 第2版』(旺文社 2005)
 ・" Centre de l'Imaginaire Arthurien domaine de comper-en-brocéliande "
https://www.broceliande-centre-arthurien.com/
  アーサー王イマジナリーセンターの公式ホームページ

ネイティブのフランス語にボロ耳の日本人が無理矢理カタカナ読みを当てつつ訳したらこうなった。
訳にセンスがないのも、カナが発音とかけ離れてるのも仕様です(が、明らかな誤訳があれば指摘プリーズ)。
このページはあくまでCDブックや配信サービスの" Graal "買った人向け、仏語ド素人によるメモ書きであって、
著作権侵害の意図はありません。が、怒られたらすぐ消します。


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