Le Roi Pêcheur フランス語メモ
Cécile Corbel " Graal "より
" Graal "6曲目、漁夫王の歌。
英語だとフィッシャーキング(Fisher King)。
様々な作品に登場するけど、初出は、
" Perceval ou le Conte du Graal(ペルスヴァルまたはグラアルの物語) "
Graal(聖杯)なるものがアーサー王伝説に加わる最初期の物語である。
※動詞の法は、特に断りがない限り直説法です。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・roi(ロワ)・・「王」。男性名詞単数形。・
・pêcheur(ペシュール)・・「(男性の)釣り人、漁師」。男性名詞単数形。
『漁夫王』
・sur(スュル)・・「~の上に」。前置詞。
・des(デ)・・名詞の複数形につく不定冠詞。
・terres(テール)・・「土地(複)」。女性名詞terre(大地、地球、土地、地方)の複数形。
・lointaines(ロワンテンヌ)・・「遠い」。形容詞lointain(遠い、遥かな、漠然とした)の女性複数形。
・dans(ダン)・・「~の中に」。前置詞。
・un(アン)・・男性名詞単数形につく不定冠詞。
・endroit(アンドロワ)・・「場所、(住んでいる)土地、表面」。男性名詞単数形。
《dans un endroit(ダンザナンドロワ)》
・secret(スクレ)・・「秘密の、隠された、密かな」。形容詞。男性単数形。
『遥か遠い地の、秘密の場所に』
・enfermé(アンフェルメ)・・「閉じ込められた、隠された、閉じこもった」。形容詞男性単数形。
・dans(ダン)・・「~の中に」。
・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・brume(ブリュム)・・「霧、靄、霞」。女性名詞単数形。
・il y a(イリヤ)・・「~がある、~がいる」。非人称動詞。非人称主語代名詞il+(副詞的)代名詞y(そこに)+英語のhaveっぽい他動詞avoirの三人称単数現在形。
・un(アン)・・男性名詞単数形につく不定冠詞。
・palais(パレ)・・「宮殿、大建築物、裁判所」。男性名詞単数形。
『霧に閉ざされた宮殿がある』
・peu(プー)・・「少し、ちょっと、やや」。副詞。"peu de 無冠詞名詞"で「ほんの少しの、ごく僅かの」。
・d'hommes(ドム)・・「人々」。前置詞de+男性名詞homme(人間、男)の複数形。
・y(イ)・・「そこに」。中性代名詞。
《d'hommes y(ドミ)》
・sont(ソン)・・英語のbe動詞に当たる助動詞êtreの三人称複数現在形。ここでは過去分詞と共に複合過去を作っている。
・entrés(アントレ)・・自他動詞entrer(入る、なる、属する)の過去分詞。男性複数形。ここでは自動詞。"(ils) sont entrés"で「(彼らは)入った」。
《sont entrés(ソンタントレ)》
『そこに足を踏み入れた者はほとんどいない』
・car(カール)・・「~というのは、~だから」。接続詞。
・il(イル)・・三人称単数男性の人称代名詞主格。ここでは非人称主語。
《car il(カーリル)》
・faut(フォ)・・「~が必要である」。英語のmustやneedっぽい非人称動詞falloirの(三人称単数)現在形。
・un(アン)・・男性名詞単数形につく不定冠詞。
《faut un(フォタン)》
・cœur(クール)・・「心、気持ち」。男性名詞単数形。
・pur(ピュール)・・「純粋な、純然たる、澄んだ、完璧な」。形容詞男性単数形。
・pour(プール)・・「~のために」。前置詞。
・pouvoir(プヴォワール)・・「~できる、~するかもしれないこと」。他動詞の不定詞。後ろに不定詞を伴う。
・distinguer(ディスタンゲ)・・「~を見分ける、区別する、はっきり分かること」。他動詞の不定詞。
・ses(セ)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。複数形。
・tours(トゥール)・・「塔(複)」。女性名詞tour(塔、櫓、鐘楼、タワー)の複数形。
・et(エ)・・「そして、~と」。接続詞。
《tours et(トゥールゼ)》
※一部の決まり文句を除いて、etの前はリエゾンしないことが多いけど、ここはs発音してるな。歌だと日常会話とは違うか。
・ses(セ)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。複数形。
・murs(ミュール)・・「城壁」。男性名詞mur(壁、塀)の複数形。
『その塔や城壁を見出すには、純粋な心が要るからだ』
・c'est(セ)・・「それは~だ」。指示代名詞ce(これ、それ)+英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数現在形。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・palais(パレ)・・「宮殿、大建築物、裁判所」。男性名詞単数形。
・du(デュ)・・「~の」。縮約冠詞。前置詞de+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
・roi(ロワ)・・「王」。男性名詞単数形。
・pêcheur(ペシュール)・・「(男性の)釣り人、漁師」。男性名詞単数形。
『それは漁夫王の宮殿』
・dansez(ダンセ)・・「(君たちが)踊れ/(あなたが)踊ってください」。自他動詞danser(踊る、揺れ動く、~を踊る)の命令法二人称複数形または敬称単数形。
『踊れ』
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・roi(ロワ)・・「王」。男性名詞単数形。
・se meurt(ス ムル)・・「(それは)死にかけている」。自動詞mourir(死ぬ、枯れる、消える)の代名動詞形se mourir(死にかけている、死に瀕している)の三人称単数現在形。この代名動詞が使われるのは直接法現在と半過去のみ。
『王は死にかけている』
・sur(スュル)・・「~の上で」。前置詞。
・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・terre(テール)・・「大地、地球、土地、地方」。女性名詞単数形。
・froide(フロワッド)・・「寒い」。形容詞froid(冷たい、寒い、冷淡な、冷静な、冷酷な)の女性単数形。
・il(イル)・・「彼は」。三人称単数男性の人称代名詞主格。
・est(エ)・・「(それは)~である」。英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数現在形。
《froide il est(フロワッディレ)》
・blessé(ブレセ)・・「負傷した、傷ついた」。形容詞。男性単数形。estを受動を作る助動詞、blesséを他動詞blesser(~に傷を負わせる)の過去分詞とするなら、「彼は傷つけられる」だけど、ここはたぶん形容詞。
『この凍えた地で、彼は傷ついている』
・buvons(ビュヴォン)・・自他動詞boire(飲む)の命令法一人称複数形。ここでは自動詞で「(私たちが)酒を飲もう」。
・à(ア)・・前置詞。ここでは"boire à ~"で「~のために乾杯する」。
《Buvons à(ビュヴォンザ)》
・sa(サ)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。女性単数形。
・santé(サンテ)・・「健康、活力、衛生」。女性名詞単数形。
『王の健康を祈って乾杯しよう』
・de(ドゥ)・・「~から」。前置詞。
・l'hiver(リヴェール)・・「冬」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞hiver(冬)の単数形。
・à(ア)・・「~まで」。前置詞。
《l'hiver à(リヴェーラ)》
・l'été(レテ)・・「夏」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞été(夏)の単数形。
『冬から夏まで』
・comme(コム)・・「~のように」。接続詞。
・si(スィ)・・接続詞。"comme si 直接法"で「まるで~のように」。
・de(ドゥ)・・前置詞。
・rien(リヤン)・・「何も~(ない)」。不定代名詞。
・n'était(ネテ)・・「(それは)なかった」。否定の副詞ne(~ない)+英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数半過去形。"comme si de rien n'était"で「何事もなかったかのように、さりげなく」。
『何事もなかったかのように』
・dans(ダン)・・「~の中で」。
・ce(ス)・・「この、その、あの」。指示形容詞。男性単数形。
・palais(パレ)・・「宮殿、大建築物、裁判所」。男性名詞単数形。
・caché(カシェ)・・「隠された、隠れた、目立たない」。形容詞。男性単数形。
・se tient(ス ティヤン)・・「(それは)開催される」。他動詞tenir(掴んでいる、持っている、保つ)の代名動詞形 se tenir(~に掴まる、~の姿勢でいる、~の場所にある、互いに支え合っている、抱える、開催される)の三人称単数現在形。
・un(アン)・・男性名詞単数形につく不定冠詞。
《se tient un(ス ティヤンタン)》
・grand(グラン)・・「大きい、高い、広い、重要な、非常な、偉大な」。形容詞男性単数形。
・banquet(バンケ)・・「宴会、饗宴」。男性名詞単数形。イタリア語のbanchettoに由来する。
『この隠された宮殿では、盛大な饗宴が開かれる』
・fait(フェ)・・形容詞男性単数形。英語のmakeやdoに当たる動詞faireの過去分詞。banquetにかかる。
・en(アン)・・「~に」。前置詞。
《fait en(フェタン)》
・l'honneur(ロヌール)・・「名誉」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞honneur(名誉、面目、栄誉)の単数形。"(banquet) fait en l'honneur de~"で「~に敬意を表された(宴)」。
・du(デュ)・・「~の」。縮約冠詞。前置詞de+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
・roi(ロワ)・・「王」。男性名詞単数形。
・et(エ)・・「そして、~と」。接続詞。
・de(ドゥ)・・「~の」。前置詞。
・ses(セ)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。複数形。
・invités(アンヴィテ)・・「客たち」。男性名詞invité(招待客、客)の複数形。
《ses invités(セザンヴィテ)》
『王とその賓客に敬意を表して』
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・souverain(スヴラン)・・「君主、支配者、王者」。男性名詞単数形。
・ne(ヌ)・・「~ない」。否定の副詞。
・peut(プー)・・「(それは)~できる」。他動詞pouvoir(~できる、~するかもしれない)の三人称単数現在形。後ろに不定詞を伴う。
・boire(ボワール)・・「~を飲む、酒を飲むこと」。自他動詞の不定詞。
・et(エ)・・「そして、~と」。接続詞。
・encore(アンコール)・・「まだ、なお、再び、もっと」。副詞。
・moins(モワン)・・「より少なく」。劣等比較級を作る副詞。ここでは否定表現の後の"encore moins"で「さらになお」。
・manger(マンジェ)・・「~を食べる、食事をすること」。自他動詞の不定詞。
『支配者たる者は、飲むことも、剰え食べることもできない』
・tant(タン)・・「それほど、とても、非常に」。副詞。ここでは動詞の強意。
・sa(サ)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。女性単数形。
・douleur(ドゥルール)・・「痛み、苦痛、苦しみ、苦悩」。女性名詞単数形。
・est(エ)・・「(それは)~である」。英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数現在形。
《douleur est(ドゥルーレ)》
・grande(グラーンド)・・「大きい」。形容詞grand(大きい、高い、広い、重要な、非常な、偉大な)の女性単数形。
・et(エ)・・「そして、~と」。接続詞。
・triste(トリスト)・・「悲しい、陰気な、みじめな」。形容詞単数形。
・sa(サ)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。女性単数形。
・contrée(コントレ)・・「地方、国」。女性名詞単数形。
語順ー!? tantとestはet以下にもかかってる?
『それほど彼の苦痛は酷く、彼の国は不幸である』
・c'est(セ)・・「それは~だ」。指示代名詞ce(これ、それ)+英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数現在形。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・palais(パレ)・・「宮殿、大建築物、裁判所」。男性名詞単数形。
・du(デュ)・・「~の」。縮約冠詞。前置詞de+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
・roi(ロワ)・・「王」。男性名詞単数形。
・pêcheur(ペシュール)・・「(男性の)釣り人、漁師」。男性名詞単数形。
『それは漁夫王の宮殿』
・dansez(ダンセ)・・「(君たちが)踊れ/(あなたが)踊ってください」。自他動詞danser(踊る、揺れ動く、~を踊る)の命令法二人称複数形または敬称単数形。
『踊れ』
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・roi(ロワ)・・「王」。男性名詞単数形。
・se meurt(ス ムル)・・「(それは)死にかけている」。自動詞mourir(死ぬ、枯れる、消える)の代名動詞形se mourir(死にかけている、死に瀕している)の三人称単数現在形。この代名動詞が使われるのは直接法現在と半過去のみ。
『王は死にかけている』
・sur(スュル)・・「~の上で」。前置詞。
・la(ラ)・・女性名詞単数形につく定冠詞。
・terre(テール)・・「大地、地球、土地、地方」。女性名詞単数形。
・froide(フロワッド)・・「寒い」。形容詞froid(冷たい、寒い、冷淡な、冷静な、冷酷な)の女性単数形。
・il(イル)・・「彼は」。三人称単数男性の人称代名詞主格。
・est(エ)・・「(それは)~である」。英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数現在形。
《froide il est(フロワッディレ)》
・blessé(ブレセ)・・「負傷した、傷ついた」。形容詞。男性単数形。
『この凍えた地で、彼は傷ついている』
・buvons(ビュヴォン)・・自他動詞boire(飲む)の命令法一人称複数形。ここでは自動詞で「(私たちが)酒を飲もう」。
・à(ア)・・前置詞。ここでは"boire à ~"で「~のために乾杯する」。
《Buvons à(ビュヴォンザ)》
・sa(サ)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。女性単数形。
・santé(サンテ)・・「健康、活力、衛生」。女性名詞単数形。
『王の健康を祈って乾杯しよう』
・de(ドゥ)・・「~から」。前置詞。
・l'hiver(リヴェール)・・「冬」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞hiver(冬)の単数形。
・à(ア)・・「~まで」。前置詞。
《l'hiver à(リヴェーラ)》
・l'été(レテ)・・「夏」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞été(夏)の単数形。
『冬から夏まで』
・comme(コム)・・「~のように」。接続詞。
・si(スィ)・・接続詞。"comme si 直接法"で「まるで~のように」。
・de(ドゥ)・・前置詞。
・rien(リヤン)・・「何も~(ない)」。不定代名詞。
・n'était(ネテ)・・「(それは)なかった」。否定の副詞ne(~ない)+英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数半過去形。"comme si de rien n'était"で「何事もなかったかのように、さりげなく」。
『何事もなかったかのように』
・tous(トゥー)・・「全ての、全部の」。不定形容詞tout(~全体、~すべて)の男性複数形。
・les(レ)・・名詞の複数形につく定冠詞。
・vergers(ヴェルジェ)・・「果樹園(複)」。男性名詞verger(果樹園)の複数形。
・sont(ソン)・・英語のbe動詞に当たる助動詞êtreの三人称複数現在形。ここでは過去分詞と共に複合過去を作っている。
・morts(モール)・・自動詞mourir(死ぬ、枯れる、消える)の過去分詞。男性複数形。"(ils) sont morts"で「彼らは枯れた」。
・les(レ)・・名詞の複数形につく定冠詞。
・arbres(アルブル)・・「木々」。男性名詞arbre(木、樹木)の複数形。
・ont(オン)・・英語のhave動詞に当たる助動詞avoirの三人称複数現在形。ここでは他動詞の過去分詞と共に複合過去を作っている。
・oublié(ウブリエ)・・他動詞oublier(~を忘れる、思い出せない)の過去分詞。
《les arbres ont oublié(レザルブロントゥブリエ)》
『果樹園は全て枯れ、木々は忘れてしまった』
・les(レ)・・名詞の複数形につく定冠詞。
・oiseaux(オワゾー)・・「鳥たち」。男性名詞oiseau(鳥)の複数形。
《Les oiseaux(レゾワゾー)》
・qui(キ)・・「~するところの」。関係代名詞。
・dès(デ)・・「~から」。前置詞。
・lors(ロール)・・「その時」。副詞。使われるのは成句のみ。"dès lors"で「その時から、それ以来、したがって」。
・ont(オン)・・英語のhave動詞に当たる助動詞avoirの三人称複数現在形。ここでは他動詞の過去分詞と共に複合過去を作っている。
・cessé(セセ)・・自他動詞cesser(~をやめる、やむ、終わる)の過去分詞。ここでは"cesser de 不定詞"で「~するのを止める」。
・de(ドゥ)・・前置詞。
・chanter(シャンテ)・・「歌う、囀る、~を歌うこと」。自他動詞の不定詞。
『それ以来、囀ることをやめた鳥たちを』
・et(エ)・・「そして、~と」。接続詞。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・mal(マル)・・「悪、災い、苦労、不都合、痛み、病気」。男性名詞単数形。
・qui(キ)・・「~するところの」。関係代名詞。
・ronge(ロンジュ)・・「(それは)蝕む」。他動詞ronger{(ネズミ等が)~を齧る、(犬等が)~をしゃぶる、(酸や錆が)~を腐食させる、(病気などが)~を蝕む}の三人称単数現在形。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・roi(ロワ)・・「王」。男性名詞単数形。
・et(エ)・・「そして、~と」。接続詞。
・son(ソン)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。男性単数形。
・pays(ペイ)・・「国」。男性名詞単数形。
『そして、王と国を蝕む災いは、』
・comme(コム)・・「~のように」。接続詞。
・dans(ダン)・・「~の中に」。前置詞。
・un(アン)・・男性名詞単数形につく不定冠詞。
《dans un(ダンザン)》
・mauvais(ムヴェ)・・「悪い、粗悪な、劣った」。形容詞男性単数形。
・songe(ソーンジュ)・・「夢、夢想、空想」。reveより文語的。
・grandit(グランディ)・・「(それは)増大する」。自他動詞grandir(成長する、大きくなる、増大する、~を大きく見せる、誇張する)の三人称単数現在形。
・jour(ジュール)・・「日、日中」。男性名詞単数形。
※本(歌詞カード)だと« nuit après nuit »(来る夜も来る夜も、夜な夜な)だけど、たぶん↑。
・après(アプレ)・・「~の後で、~に続いて」。前置詞。
・nuit(ニュイ)・・「夜」。女性名詞単数形。
『悪夢の中にいるように、日夜膨れ上がる』
・c'est(セ)・・「それは~だ」。指示代名詞ce(これ、それ)+英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数現在形。
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・palais(パレ)・・「宮殿、大建築物、裁判所」。男性名詞単数形。
・du(デュ)・・「~の」。縮約冠詞。前置詞de+男性名詞単数形につく定冠詞leの縮約。
・roi(ロワ)・・「王」。男性名詞単数形。
・pêcheur(ペシュール)・・「(男性の)釣り人、漁師」。男性名詞単数形。
『それは漁夫王の宮殿』
・entrez(アントレ)・・「(君たちが)入れ/(あなたが)入ってください」。自他動詞entrer(入る、~を入れる)の命令法二人称複数形または敬称単数形。
・en(アン)・・「~に」。前置詞。
《Entrez en(アントレザン)》
・sa(サ)・・「彼の、彼女の、それの」。三人称単数の所有形容詞。女性単数形。
・demeure(ドゥムール)・・「邸宅、屋敷、住まい」。女性名詞単数形。
『上がれ、王の邸宅に』
・le(ル)・・男性名詞単数形につく定冠詞。
・roi(ロワ)・・「王」。男性名詞単数形。
・est(エ)・・英語のbe動詞に当たる助動詞êtreの三人称単数現在形。ここでは過去分詞mortと共に複合過去、enterréと共に受動態を作っている。そんなんあり?あるいは単にenterréの前のestが省略されてる?
・mort(モール)・・自動詞mourir(死ぬ、枯れる、消える)の過去分詞。男性単数形。"(il) est mort"で「彼は死んだ」。
・et(エ)・・「そして、~と」。接続詞。
《mort et(モーレ)》
・enterré(アンテレ)・・他動詞enterrer(~を埋める、~を埋葬する、~を放棄する、~を隠す)の過去分詞。男性単数形。"(il) est enterré"で「彼は埋葬される」。
『王は死んで葬られる』
・buvons(ビュヴォン)・・自他動詞boire(飲む)の命令法一人称複数形。ここでは自動詞で「(私たちが)酒を飲もう」。
・pour(プール)・・「~のために」。前置詞。
・oublier(ウブリエ)・・「~を忘れること」。他動詞の不定詞。
《pour oublier(プールブリエ)》
『飲んで忘れよう』
・de(ドゥ)・・「~から」。前置詞。
・l'hiver(リヴェール)・・「冬」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞hiver(冬)の単数形。
・à(ア)・・「~まで」。前置詞。
《l'hiver à(リヴェーラ)》
・l'été(レテ)・・「夏」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞été(夏)の単数形。
『冬から夏まで』
・comme(コム)・・「~のように」。接続詞。
・si(スィ)・・接続詞。"comme si 直接法"で「まるで~のように」。
・de(ドゥ)・・前置詞。
・rien(リヤン)・・「何も~(ない)」。不定代名詞。
・n'était(ネテ)・・「(それは)なかった」。否定の副詞ne(~ない)+英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数半過去形。"comme si de rien n'était"で「何事もなかったかのように、さりげなく」。
『何事もなかったかのように』
伝説によると、漁夫王(le Roi Pêcheur)は聖杯を見守る運命を負った最後の王である。
彼の城は、作家によって様々な場所に置かれたけれど、私は、たくさんの塔や※註1無骨な小塔を頂いた城が、時に、濃い霧の只中で道に迷った旅人の前に、魔法のように姿を表すのを想像するのが好き。たぶん、その城はモン・ダレ山脈(Monts
d'Arrée)の中心部、ブレンニリス(Brennilis)に隣接する荒野や泥炭地より高い丘の上に建てられている。
戦いで負傷した漁夫王は、一人で移動することができず、それ以来、彼の城壁の内に引き籠ったままでいる。
この負傷以来、彼の王国は、奇妙なことに王と苦痛を共有しているように思われる――病の進行につれて王が縮こまるほど、彼の周囲の土地はまるます不毛になり、荒廃していく。
純粋な心を持つ騎士だけが、王を治し、また、君主の運命と密接に絡み合っているかのように日に日に衰える王国を救い出すことができると言う。
ある晩、ペルスヴァル(パーシヴァル)が辿り着くのは、漁夫王の宮殿。
彼はそこで豪勢にもてなされ、彼の目の前に置かれる宝物――美しく若い娘たちによって食卓に運ばれてくる、金や宝石でできた食器や大皿に驚嘆させられる。
パーシヴァルは、また、光り輝く槍を手にする若者を見る。槍の鉄製の穂先から、血の雫が玉となって滴り落ちる。
更に、金の燭台を持つ2人の若者と、眩いばかりに輝く※註2杯を持つ乙女もいる。
その杯は蝋燭の灯りより猶輝き、血のように赤いルビーが嵌め込まれている。
この不思議の出現を前に、パーシヴァルは沈黙を守る。
もし彼が、この杯が本当は何だったのか、思い切って尋ねていたら、彼は聖杯を見つけ出し、それによって王と彼の国を救いさえしただろう。
たぶん、彼の目の前に並べられた輝きと豊かさが目を眩ませ、探求の的から逸らしてしまったのだろうか?
もしかして、彼はこのように口を閉ざすことで、賓客の、そして申し分のない騎士の役割を果たすと思ったのだろうか?
答えはそこに、彼のすぐ目の前、物質的な現実と見せかけの薄いベールの後ろに、あまりに明白に存在していた。
地上での束の間の滞在の間、私もまた、時々、自分が盛大な饗宴の客だと感じることがある。
私の歌の中で、王の臣下は無頓着を極めていく。彼らの君主が衰え、土地がますます荒れ果てていくのがはっきりと見えているにも拘らず……結局、皆が王と共に確実な死に向かって突き進んでいく。
神話は時を超える、と言われる。このことは、現代の世に置き換えるのが絶望的に容易い。
(Cécile Corbelによる楽曲解説)
※人名等固有名詞は、「ヴィヴィアーヌ(ヴィヴィアン)」のようにフランス語名カナ読みの隣に日本で馴染みのある表記(概ね英語風)を並べ、二度目以降の登場は後者に統一しています。
※註1 原文は« tourelles hirsutes »。「毛むくじゃらの小塔」ではあるまい。
※註2 原文は« coupe »。口が広く、脚がついたカップ。ゴブレット。
漁夫王と書いて「いさなとりのおう」。フィッシャーキング(li Rois Peschierrele/le Roi Pêcheur)をこのように訳したのがどなたなのか、寡聞にして存じ上げないが、かっこいいな。
彼が初めて文学作品に登場するのは、12世紀終盤の詩人クレティアン・ド・トロワ(Chrétien de Troyes)さんによる未完の長編物語、"
Perceval ou le Conte du Graal(ペルスヴァルまたはグラアルの物語) "である。
まずは、この物語の主人公の話をする。
立派な武門の家に生まれつつも、夫やその子供たちの死に打ち拉がれた母によって、戦いから遠ざけられて育てられたペルスヴァル(パーシヴァル)。
ある日、彼の住む荒れ森に、武具甲冑を纏って馬に乗る5人の騎士がやって来た。パーシヴァルは、きらきら輝く天使たちだと思った。そんな彼らは、自分たちのことを「騎士」だと言う。
彼らの持ち物について質問攻めにし、彼らの武具甲冑はアルテュール(アーサー)王から頂いたのだと聞き出して、すっかり騎士に憧れたウェールズの若者。彼は母の嘆きも顧みず、己も騎士にして貰うため、アーサー王の宮廷に行く。
成り行きで、彼はアーサー王と妃を侮辱した「カンクロワの森の真紅の騎士」と戦うことになった。無知で人との戦いを経験したことがない彼だが、武の資質には秀でていた。狩猟用の投槍で敵を打ち斃し、その武具甲冑と軍馬を自分のものにする。
軍馬に乗ったパーシヴァルは、母の元へ帰ろうとする。彼の旅立ちを見送る時、気を失って倒れてしまった母のことを思い出したのだ。あの時は騎士になりたくて気が逸り、見捨てて来てしまった。森を抜けて平原を川沿いに進むと(どうやら来た道を覚えていない)、堅固な城に住むゴルヌマン・ド・ゴオール{Gornemanz
de Gohorz(Goorz)/Gornemant de Gohort(Goort)}と出会う。立派な老騎士は、彼に戦い方を指導し、もてなしてくれた。翌朝、先を急ぐ若者を引き止められなかった師は、彼に新しい衣服を送ってくれ、別れ際まで騎士たる者の道について様々に教え諭してくれる。
師の元を出立して、ビオールペールの美しき女城主ブランシュフルールに出会ってその窮地を救い、また旅立ったパーシヴァル。岸辺で川を渡る方法を探していたところ、大岩に行く手を遮られた。そこで、一艘の舟から釣り糸を垂らす男に出会う。
自分の館に泊めてくれるという男に従って、大岩にいつの間にかできていた裂け目を通り、丘の頂上まで登って行く。
ところが、空と地面の他に何もない。パーシヴァルが落胆し、悪態を吐いたところ、突然目の前に見事な城が現れる。
城の広間に足を踏み入れると、立派な身なりをした城主がいた。立つことができないと断りを入れつつ、礼を尽くして迎えてくれる。上等な剣まで贈ってくれた。
目が眩むような豪華なもてなしを受け、様々な不思議を目の当たりにするパーシヴァルだが、あの血を流す輝く※註1槍は何なのか、見たこともないほど素晴らしい宝石がいくつも嵌め込まれた※註2グラアル(un graal)は何で、誰に供するものなのか、尋ねることはしなかった。
ゴルヌマン(ゴルヌマント)はこう言っていたのだ。« Qui trop parole pechié fet. »[参3]1652行より引用「口数多き者は、罪を犯す」[参4]P174より引用、と。自分からぺらぺら喋りすぎると阿呆に見えるからやめなさいと。以前のパーシヴァルであれば間違いなく無邪気に問い質していただろうが、素直な彼は、悩んだ末に師の忠言に従ったのだ。物凄く気になったが、ここを発つ時に、小姓の一人にでも訊いてみればいい。宴席では無礼になるかもしれない口出しはせず、ただ美味を堪能し、城主と談笑して、眠りに就いた。
ところが、朝になってパーシヴァルが目を覚ますと、立派な城の中には人っ子一人いなかった。自分で身支度をして馬に乗り、城門から外に出ると、誰もいないのに跳ね橋が揚がり、どんなに呼びかけても、やはり誰も応じない。
城を後にしたパーシヴァルは、すぐに嘆き悲しむ一人の乙女に出会う。彼女は、首のない騎士の亡骸を抱いていた。
話しかけると、彼女は恋人の死を嘆きつつも、あの城主のことを教えてくれた。
「あの王は、ある戦いで怪我をして、たしか、不具になってしまわれ、そのために、身体の自由が利かなくなられたのです。つまり、短槍で両腿の間を突かれ、その傷がまだとても痛むので、馬に乗ることができないのです。でも、気晴らしをなさりたいとき、何か心を慰めたく思われるときは、一艘の舟に乗せてもらって、釣り針で漁をしに出かけられる。それで、漁夫王と呼ばれているのよ」[参4]P207-208より引用
パーシヴァルが王の館で起こったことを説明すると、乙女はひどく怒り出した。自分はペルスヴァル・ル・ガロワ(Percevax li galois/Perceval
le Gallois/ウェールズ人パーシヴァル)であると名乗ったところ、あなたの名はペルスヴァル・ル・シェティス{Percevax li cheitis/Perceval
le Chétif (Perceval le Malheureux)/みじめな人パーシヴァル}に変わったと詰る。ちゃんとあの血を流す槍やグラアルについて尋ねていれば、傷に苦しむ王を癒し、領土をしっかり治めるようにしてやれた。あなたにもいいことがたくさんあった。それをしなかったばかりに、あなたにも他の人にも災いが降りかかる。それというのも、あなたが母に対して犯した罪のせいだ。あなたを失った悲しみでお母様は死んでしまった。私の愛する騎士も死んでしまうし、辛いことばかりだ、と。なんと彼女は、パーシヴァルと共に育った従姉だったのだ!(何故ここまで気付かない?)
※アルファベット表記が二つ並んでいるのは、前の方が原文、後の方が現代フランス語です。
※註1 元々は関係なかったのに、後にキリストの脇腹を貫いたという「ロンギヌスの槍」と混同されるようになる。
※註2 後に、Graalとは聖遺物「聖杯」の意味になるが、12世紀当時におけるgraalは、単に数人で食べる魚料理なんかを盛る「幅広で深めの大皿」である。『ペルスヴァルまたはグラアルの物語』には「血を流す槍、宝石の嵌め込まれた黄金のグラアル、銀の肉切台(タイヨワール)」が出て来て、肉切台だけはペルスヴァルの目の前で鹿の腿肉を切り分けるのに使われているが、他二つは用途不明である。この3つの品を、異教、ケルトの信仰の名残と考える向きもある。特にグラアルは豊穣の大釜が原形だったとも。
その後の戦いで漁夫王から貰った剣があっさり砕け散ってしまうのも、グラアルのことを尋ねなかったせいだろうか?
どこまでも純朴で善良な男が、ほんの僅かな瑕疵によって奇跡を手にする機を逸する。キリスト教的には、体面を気にして真実を見通すことを怠るなど、彼の純粋さは完全ではなかった。故に試練を乗り越えることができなかった、的な見方をするべきもんなのかこれ?
人の話を素直に聞いてしまうアホの子が、物を知らんなりに頑張ってるんだぞ!意地悪言うていじめたんなや!
そいつは、「お母さんが、騎士は若い乙女にキスしてもらえるって言ったから!指輪をくれるって言ったらもらってもいいって言ったから!」と、何の悪気も欲もなく、初対面のご婦人に痴漢と強盗を働くようなアホの子だったんだぞ。その頃に比べて、ちゃんと自分の頭使って立派にやっとるじゃろがい。おかげで不貞疑惑をかけられたご婦人が酷い目に遭うんだぞ。その後、やってはいかんことだったと理解してDV夫の誤解を解き、(腕っぷしで)償いはするけど。こいつの罪と言えば、どう考えてもこっちじゃろがい!
それはそうと、やっと自分を苦痛から解放できる騎士が来てくれた!と期待してたのにスルーされた漁夫王は、とてもお気の毒。
料理を一皿出す度に目の前にグラアルを運ばせて見せつけてたのに、あいつめっちゃ物言いたげにガン見するだけなんだもん。なんか訊けよ!それだけでこっちは救われるんだよ!……と言ったらいかんかったんか?いかんかったんやろな。
歌詞の内容は悲惨なんだが、楽しそう。C'est le palais du roi pêcheur、めっちゃリズミカル。漁夫王の家臣たちがやけくそで、「もうどうにでもな~れ~♪」って感じの歌かもしれん。
この" le Conte du Graal "の二次創作と言える、ドイツのヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ(Wolfram
von Eschenbach)さんによるParzivalだと、漁夫王に当たるアンフォルタス(Anfortas)王は、めでたく再訪したパルツィファル(パーシヴァル)に救われている。そしてパーシヴァルが聖杯王(Gralskönig)になる。
CDブックはいいぞ。セシルさんご本人による挿絵がすごく美しいぞ。こちらの公式ホームページ通販で買えるぞ。
参考・引用資料
1.『ロワイヤル仏和中辞典 第2版』(旺文社 2005)
2." CNRTL Lexicographie " https://www.cnrtl.fr/definition/
3." Chrétien de Troyes Le Conte du Graal (Perceval) " https://www.francaisancien.net/activites/textes/perceval/cgrpres.htm
4.『フランス中世文学集2 愛と剣と』(白水社 1993 第3刷)
ネイティブのフランス語にボロ耳の日本人が無理矢理カタカナ読みを当てつつ訳したらこうなった。
訳にセンスがないのも、カナが発音とかけ離れてるのも仕様です(が、明らかな誤訳があれば指摘プリーズ)。
このページはあくまでCDブックや配信サービスの" Graal "買った人向け、仏語ド素人によるメモ書きであって、
著作権侵害の意図はありません。が、怒られたらすぐ消します。