Sweet Amaryllis フランス語メモ
今度は失恋ソング。
ベースは日本でもそこそこ有名なイングリッシュ・トラッド。
原詞にセシルさんの詞が混ざって、これまた英仏混合詞。
単語メモは仏語部分のみ。
※動詞の法は、特に断りがない限り直説法です。
※英語詞
『さらば 愛しいアマリリス
別離が君の望みであるなら
ああ 辛い知らせだ
居ても立ってもいられない
もう一度
君と別れる前に
君と別れる前に』
・adieu(アディユー)・・「さらば、さようなら」。間投詞。別れの挨拶。
・belle(ベル)・・「美しい」。形容詞beau(美しい、きれいな)の女性単数形。
・amaryllis(アマリリス)・・「アマリリス」。女性名詞単数形。歌詞カードではBelle Amaryllisと頭が大文字。花に譬えて女性に呼び掛けている。
『さらば 美しいアマリリス』
・te souviens(トゥ スーヴィアン)・・代名動詞se souvenir(思い出す、覚えている)の二人称単数現在形。
se souvenirは、いわゆる「本質的代名動詞」。代名動詞形しかない。文語だと再帰代名詞なしでsouvenir「〜が思い出される」という非人称動詞になることもあるけど。
・tu(テュ)・・「君は」。二人称単数の人称代名詞。主格。この場合は主語が動詞の後ろにきて倒置疑問文。
・de(ドゥ)・・前置詞。"Te souviens tu de〜?"で「君は〜を覚えているか?」。
・nos(ノ)・・「私たちの」。一人称複数の所有形容詞。複数形。
・promesses(プロメス)・・「約束(複)」。女性名詞promesse(約束)の複数形。
『僕らの交わした約束を覚えているかい?』
・mon(モン)・・「私の」。一人称単数の所有形容詞。男性単数形。
・cœur(クール)・・「心、気持ち」。男性名詞単数形。
・est(エ)・・「(それは)〜だ」。英語のbe動詞に当たる自動詞êtreの三人称単数現在形。
・lourd(ルール)・・「重苦しい」。形容詞。男性単数形。話し手を男性と想定してるみたい。
『僕の心は重く』
・et(エ)・・「そして」。接続詞。
・les(レ)・・名詞の複数形につく定冠詞。
・sanglots(サングロ)・・「すすり泣き(複)」。男性名詞sanglot(すすり泣き、嗚咽)の複数形。
・de(ドゥ)・・「〜の」。前置詞。
・l'océan(ロセアン)・・「海」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+男性名詞océan(大洋、海)。
英語の原詞が"heavy tiding(重苦しい知らせ)"だから、原意のtide(潮流)に合わせて「その海の泣き声(=tiding)が僕の心に重苦しく留まっているんだ」って意味かな?
・se(ス)・・「それ(ら)自身を」。三人称の再帰代名詞。
・prennent(プレン)・・英語のtakeやgetみたいなやたら意味の幅広い動詞prendreの、三人称複数現在形。ここでは再帰代名詞を伴って代名動詞。"se prennent"で、「(それらは)引っかかる、捉われる」。
・dans(ダン)・・「〜の中に」。前置詞。
・ma(マ)・・「私の」。一人称単数の所有形容詞。女性単数形。
・peine(ペンヌ)・・「苦労、心痛」。
『細波の音は 僕の悲しみに淀む』
・je(ジュ)・・「私は」。一人称単数の人称代名詞。主格。
・pars(パール)・・「(私は)立ち去る」。自動詞partir(出発する、出かける、立ち去る)の一人称単数現在形。
・avant(アヴァン)・・「〜より前に」。前置詞。
・que(ク)・・接続詞。
・l'aube(ローブ)・・「夜明け」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞aube(夜明け)。
『夜が明ける前に僕は行くよ』
・que(ク)・・接続詞。"avan que +接続法"で「〜が〜する前に」。
・l'aube(ローブ)・・「夜明け」。頭語が母音またはhの単数名詞につく定冠詞l'+女性名詞aube(夜明け)。
・ne(ヌ)・・「〜ない」。否定の副詞。この場合は虚辞のneというやつ。"avant que l'aube vienne"で「夜明けが来る前に」、"avant que l'aube ne
vienne"だと「夜明けが来ない内に」ぐらいのニュアンスの違いはあるかもしれないけど、neがあってもなくても意味が変わらない。
・vienne(ヴィエンヌ)・・「(それは)来る」。自動詞venir(来る、行く)の接続法現在三人称単数形。
『夜明けが来る前に』
※英語詞
『辛い知らせだ
居ても立ってもいられない
もう一度
君と別れる前に
君と別れる前に
さらば 愛しいアマリリス
別離が君の望みであるなら
ああ 辛い知らせだ
居ても立ってもいられない
もう一度
君と別れる前に
君と別れる前に』
以下、セシルさんによる解説。やや意訳。
これは、16世紀イングランドの作曲家ジョン・ウィルビー(John Wilbye)のマドリガルをベースにした幻想曲よ。
この曲を知ってたちまち、私は中世からバロックへと移行しつつある音楽の雰囲気がとても好きになったの。この冷徹でロマンティックなメロディは、いつも私をエリザベス朝時代のイングランドへと運び去ってしまうのよ。権謀術策の渦巻く宮廷、その毒、愛と憎しみの混在する物語の中へと。
フランス語の韻文は、私の想像の赴くまま、歌に入り込んでいたの。
だってさ。
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参考文献
・『ロワイヤル仏和中辞典 第2版』(旺文社 2005)
ネイティブのフランス語にボロ耳の日本人が無理矢理カタカナ読みを当てつつ訳したらこうなった。
色々といい加減なのはいつも通りだよ!
このページはあくまで"CECILE CORBEL Song Book vol.3"買った人向け(?)、自己満足なメモ書きであって、
著作権侵害の意図はないけど・・怒られたらすぐ消します。