Istoria〜Musa〜 ギリシア語メモ2.Erato

Ερατώ

賛歌と抒情歌
リラを弾き語る女神

こちらのサイトでムーサ九柱の図像を見ることができます。

志方さんのδは[ð](ザ、ズィ、ズ、ゼ、ゾ)ではなく[d](ダ、ディ、デュ、デ、ド)ですね。置き換えてお読み下さい。
※動詞の相(アスペクト)は、「アオリスト相」とか「完了相」とか書いてない限り継続相、態(ヴォイス)は特に断りがない限り能動態です。

τραγουδάω(トラグオ)・・「(私は)歌う」。自動詞τραγουδώト ラ グ (歌う)の現在一人称単数形。
τραγουδώ/τραγουδάω。継続相現在一人称単数形は、二通りの綴りがある。別にどちらでもいい。
μαζί(マズィ)・・「一緒に」。副詞。
με(メ)・・「〜と」。対格につく前置詞。
τα(タ)・・中性名詞複数形の主格あるいは対格につく定冠詞。
πουλιά(プリ)・・「小鳥たち(と)」。中性名詞πουλί(鳥、雛鳥)の複数主格か対格。ここでは対格。
που(プ)・・「するところの」。"that"。関係代名詞。
κελαηδάνε(ケライネ)・・「(それらは)さえずる」。鳥類専用自動詞κελαηδώケライゾー(さえずる)の現在三人称複数形。

『歌うよ さえずる小鳥たちと一緒に』

λέωーオ)・・「(私は)吟唱する」。他動詞λέωーオ/λέγωーゴ(言う、告げる、呼ぶ)の現在一人称単数形。「歌う」とも訳せるが、τραγουδώに比べると「語る」要素が強い。
έναーナ)・・基数詞(1、一つ)あるいは不定冠詞έναςナスの中性主格か対格。ここでは対格。
τραγούδι(トラズィ)・・「歌を」。中性名詞τραγούδιト ラ ズ ィ(歌)の単数主格か対格。ここでは対格。
με(メ)・・「〜と共に」。対格につく前置詞。
ευχές(エフヒェス)・・「願い(と)」。女性名詞ευχήエフヒィ(心からの願い、祈り)の複数主格か対格。ここでは対格。
για(ヤ)・・「〜のための」。"for"。対格と共に用いる前置詞。
σέναーナ)・・「君(の)」。εσέναとも。人称代名詞二人称単数属格あるいは対格強勢形。ここでは対格。
για(ヤ)・・「〜の」。"for"。対格と共に用いる前置詞。
αύριοーヴリオ)・・「明日」。副詞。
※ラテン語の女性名詞auroraアウローラ(曙)に由来。

『一つの歌を詠うよ 明日の君のため 願いを込めて』

απλώς(アプス)・・「ただ(単に)」。副詞。
το(ト)・・「それ(歌)を」。人称代名詞三人称単数中性対格弱形。中性名詞τραγούδιト ラ ズ ィ(歌)を指している。
λέωーオ)・・「(私は)吟唱する」。他動詞λέωーオ/λέγωーゴ(言う、告げる、呼ぶ)の現在一人称単数形。

『ただ それを詠うよ』


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参考文献
 『現代ギリシア語辞典』(リーベル出版 第3版増補版 2004)

 『現代ギリシア語文法ハンドブック』(白水社 2009)