Selve amiche

Antonio Caldara(1671 - 1736) :作曲
作詞者不明

Selve amiche, ombrose piante,
fido albergo del mio core,
chiede a voi quest'alma amante
qualche pace al suo dolore.

 
 

 "La costanza in amor vince l'inganno"(愛の誠は偽りに打ち勝つ)より
 
 原曲はバロック時代の牧歌劇。すごいタイトル。どんなオペラだ?
 ヴェネツィア生まれの作曲家アントニオ・カルダーラさんが、マチェラータ(ブーツのふともも辺り)の公共劇場のために書いた曲だって。
 この人、最終的にはオーストリアのウィーンに落ち着くけど、スペイン継承戦争や何やで、雇用主がころころ変わったりあちこちに飛ばされたり、結構大変な人生送った方。ってぐーぐる先生が言ってた。
 
 カタカナ読みでセルヴェ・アミーケ。志方さんが歌う宵森人の前半の歌詞がこれです。後半は篠田朋子さんの創作じゃないかな?

ルヴェ ーケ オンブーゼ ンテ
Selve amiche, ombrose piante,
名詞 形容詞 形容詞 名詞
森(複) 親しい 日陰になった 木(複)
親愛なる森 蔭の木々


フィード アルルゴ デル ミオ ーレ
fido albergo del mio core,
形容詞 名詞 縮約冠詞 所有形容詞 名詞
信頼できる 旅館 di il 〜の 私の
私の心の安心する宿

coreはcuoreの詩形。

ーデ ヴォイ クエスルマ ンテ
chiede a voi quest'alma amante
他動詞(原型:chiedere) 前置詞 代名詞 指示形容詞+名詞 形容詞
(それは)求める 〜に 君達を この魂 愛している
恋するこの魂は あなたに求める

almaはanimaの詩形。
amanteは他動詞amare(愛する)の現在分詞。形容詞的用法・・でいいの?

ルケ ーチェ アル スオ ーレ
qualche pace al suo dolore.
形容詞 名詞 前置詞 所有形容詞 名詞
いくらかの 平和 〜に それの 苦痛
この苦痛にいくらかの安らぎを。


以下、意訳。
 
 

友なる森よ 翳なす樹々よ
我が心の安らげる宿よ
恋焦がれる魂が あなたに望む
我が懊悩に幾許かの安らぎをと



歌詞は『古典イタリア名曲撰集T 中声用』より